介護
投稿日:2023/09/02
更新日:2024/10/14
大切な家族に介護が必要になったら?無料で相談できる介護相談窓口を紹介
目次
大切な家族に介護が必要になった時、どうすれば良いのかと戸惑ったり悩んだりする方は少なくありません。
高齢化の進行に伴い、介護ニーズが高まっている日本では、在宅介護を受ける高齢者やその家族を対象とした介護相談窓口を設けています。
本記事では、無料で介護の相談ができる介護相談窓口についてご紹介します。
家族の介護が必要になった時にできること
同居する親や祖父母に介護が必要になった時、子供や孫などの家族介護者には何ができるのでしょうか。
また、親や祖父母の介護についての相談は、どこで聞いてもらえるのでしょうか。
親や祖父母に介護が必要になった時、まずはどこで介護をするのか決める必要があります。
親や祖父母がこれまで住んでいた自宅で在宅介護をするのか、介護施設への入居を希望するのか、介護をする場所を決めることが重要です。
ここでは、在宅介護と介護施設への入居、それぞれに必要な準備についてご紹介します。
在宅介護の準備
在宅介護とは、介護が必要になった高齢者がこれまで住んでいた自宅や、サービス付き高齢者向け住宅で、家族介護者が主体となって行う介護のことです。
在宅介護では、介護が必要になっても住み慣れた自宅で過ごせるため、高齢者が落ち着いた気持ちで毎日の暮らしを送ることができます。
在宅介護では家族介護者の負担を軽減するために、以下の介護サービスの利用が可能です。
訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・定期巡回随時対応型 訪問介護看護・通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション(デイケア)・ 短期入所生活介護(ショートステイ)・小規模多機能型居宅介護事業所・ 福祉用具貸与・福祉用具購入・住宅改修など |
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これらの介護サービスを利用するには、まずはお住まいの役所にある介護保険課または地域包括支援センターで「要介護認定」の申請を行う必要があります。
認定調査員による聞き取り調査と一次判定、二次判定を経て、申請から約1ヶ月後までに認定結果が申請者の自宅に郵送されます。
認定結果は「要支援1または2」「要介護1~5」「非該当」のいずれかです。
要支援または要介護の介護認定を受けたら、希望する介護サービス事業所または地域包括支援センターに連絡し、担当のケアマネジャーを選んでもらいます。
担当ケアマネジャーがケアプランを作成後、介護サービスの利用が開始できます。
介護施設への入所の準備
同居する親や祖父母に介護が必要になったけど、在宅介護が難しいという場合、「介護施設への入所を検討する」という選択肢があります。
介護施設に入所する際も、在宅で介護サービスを受けるのと同様に、「要介護認定」の申請が必要です。
「要支援1または2」「要介護1~5」のいずれかの介護認定を受けた方は、以下の3つのステップで、入居する介護施設を探しましょう。
①介護施設を探す
介護施設への入所にあたり、絶対に譲れない条件を決めておく必要があります。
例えば、「入居費用が安い介護施設が良い」「いつでも面会に行きやすいよう、立地条件が良い介護施設を希望する」など。
インターネットでの検索やパンフレットの請求により、希望条件に合った介護施設であるかどうかを入念に確認することが大切です。
②介護施設を見学する
入所を検討する介護施設が決まったら、実際に見学しましょう。
1つの介護施設に絞るのではなく、複数の介護施設を見学することが大切です。
ショートステイを併設している介護施設であれば、1日から数日での体験入居ができる介護施設もあります。
見学や体験入居により、実際に入所している利用者は楽しそうに生活しているか、職員の対応はどんな感じなのかを確認するようにしましょう。
③入所申し込み
「ここの介護施設に入所したい」と思う介護施設が決まったら、入所申し込みを行います。しかし、申し込みを行ったからと言って、すぐに入所することはできません。
介護施設に空きが出るまで、待機期間を経ての入所になります。
介護施設の待機期間は施設によって異なりますが、特別養護老人ホームの場合、数百名単位での待機者がいるため、入所までに数年を要する場合があります。
介護施設への入所を強く希望するのであれば、早めに、複数の介護施設に同時並行で入所申し込みをしておくようにしましょう。
高齢者の介護は家族・身内の義務?
親や祖父母に介護が必要になった時、介護を担うのは子供や孫の義務でしょうか?
日本の法律上、「介護放棄(ネグレクト)」は禁じられており、子供や孫などの直系家族に介護を担う義務があると定められています。
しかし、個人の事情で親や祖父母の介護をする余裕がないという家庭もあるでしょう。
日本の法律で義務付けられている「親や祖父母の介護」とは、食事や入浴、排泄などの身体介護をすることではありません。
介護が必要になった親や祖父母の金銭管理や、介護サービスの利用に関する手続きを行うことが「子供や孫への介護の義務」に該当します。
キーパーソンとは
介護サービスを利用する際に、家族介護者の中からキーパーソンを決める必要があります。
キーパーソンとは、介護が必要な高齢者の金銭管理や介護サービスの利用に関する手続きなどを、責任もって担う人のことです。
「主な介護者」や「介護の鍵を握る人」という意味合いで使われる言葉でもあります。
キーパーソンに法的効力はありませんが、介護サービスの利用や介護が必要な高齢者の生活に欠かすことができない大切な存在です。
無料で介護相談ができる窓口
「親や祖父母に介護が必要になったけど、どうすればいいのか分からない」
「介護サービスを利用したいけど、どうやって利用開始して良いのか分からない」
こういった悩みを抱えた時、無料で相談できる介護相談窓口があります。
ここでは、家族の介護に悩んだ時に無料で利用できる介護相談窓口を5つご紹介します。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、介護保険の申請に関する相談や、介護サービスの利用に関する相談ができる市区町村の公的施設です。
高齢者介護にまつわるありとあらゆる悩みや相談事に対応しています。
地域包括支援センターには社会福祉士・ケアマネジャー・保健師など、介護福祉の専門職が多数在籍しているため、様々な観点から専門的アドバイスをすることができます。
各市区町村の役所
各市区町村の役所にある介護保険課窓口でも、介護に関する相談対応を行っています。
役所の介護保険課では、「親の介護が大変で、仕事との両立が難しい」「親の介護のために退職したため、お金に困っている」といった悩みを抱える人に対し、必要な支援制度や受けられる介護サービスの案内を行います。
介護以外にも、生活保護受給や失業保険など、生活全般的な悩みも相談可能です。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所とは、デイサービスやショートステイなどの在宅介護で利用できる介護サービスに関する相談ができる事業所です。
居宅介護支援事業所にはケアマネジャーが在籍しているため、在宅介護で介護サービスを利用する際のケアプラン作成に関しても相談できます。
家族だけでは在宅介護の継続が難しいと、限界を感じた場合にオススメの相談先です。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーとは、病院に入院中もしくは通院中で、介護施設への入所を検討しているという方が相談できる病院の窓口です。
「退院後に利用できる介護サービスが知りたい」
「退院後、在宅で介護ができるか不安」
このような悩みに対応しており、医療的ケアが必要でも利用できる介護サービスや入所できる介護施設についての案内も行っています。
シルバー110番
シルバー110番とは、都道府県が運営している「高齢者総合相談センター」です。
介護に関する悩み事や相談を電話で受け付けています。
「♯8080」に電話をかけると、地域のシルバー110番につながります。
匿名かつ無料で相談することができるため、気軽に相談したい方にオススメです。
介護相談窓口で相談できる内容
介護相談窓口では、どんな内容の困り事を相談すればいいのでしょうか。
ここでは、介護相談窓口で対応している相談内容を3つご紹介します。
介護保険制度に関する相談
介護サービスの利用には介護保険制度の申請が必要です。
介護保険制度に関して、以下のような相談事に対応しています。
・介護サービスを利用したいけど、介護保険の申請方法が分からない
・生活保護を受給しているけど、介護保険制度が利用できるのか不安
在宅介護に関する相談
在宅介護は介護に関する専門知識がない家族が担うため、不安や悩み事は尽きません。
在宅介護に関して、以下のような相談事に対応しています。
・認知症の親が夜中に勝手に徘徊するため、困っている
・一人暮らしをしている親の安否が気になって、仕事に集中できない
・親の介護が必要になって退職したけど、親の年金収入だけで利用できる
・介護サービスがあるのか不安
介護施設への入所に関する相談
在宅介護に限界を迎え、介護施設への入所を考える方も少なくありません。
介護施設への入所に関して、以下のような相談事に対応しています。
・現在入院している病院から退院後、すぐに入所できる介護施設を探している
・看取りに対応している介護施設が見つかるか不安
・認知症による徘徊や暴力行為があるが、介護施設に入所できるか不安
まとめ
家族の介護に悩んだ時は無理せず早めに相談を
高齢化社会が進む日本では、ついこの前まで元気だった親や祖父母に急に介護が必要になったということがいつ起こるか予測不可能です。
家族の介護に悩んで共倒れ状態にならないよう、無理をせず、早めに相談することが大切です。
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