介護
投稿日:2024/07/12
更新日:2024/10/14
介護職員初任者研修を活かせる仕事について紹介!資格取得のメリットついて解説
目次
「介護職員初任者研修」は、これから介護職としてキャリアを歩んでいきたいと考えている方にとって取得を目指してほしい資格です。
現在の超高齢化社会において、介護職のニーズはかなり高い状態が続いてます。しかし、介護に関する資格は多くあり「実務に活かすためには何から勉強したら良いのか分からない」と感じる方もいるでしょう。
そんな方にとって介護の入門勉強として初任者研修は有効です。今回の記事は介護職員初任者研修の取得方法、活躍出来る仕事環境などについてご紹介します。初任者研修の資格取得を目指す方、資格取得を悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
介護職員初任者研修について
まず最初に介護職員初任者研修の内容や取得方法、取得に向けて必要な受講科目について説明します。
介護職員初任者研修の内容
介護職員初任者研修の目的は、介護の仕事に関わる人が業務を行うために必要になる最低限の知識と技術を学び、現場で実践できるようになることです。この資格は、これから介護業界で働きたいと思っている方にとって入門資格であると言えるでしょう。
研修の実施主体は、各都道府県または都道府県知事から指定を受けた大学や専門学校などの教育機関、介護施設などです。
初任者研修の費用は地域や養成スクールによって異なりますが、5万円~10万円程度が目安です。キャンペーンで費用が安くなる場合もあるので、スクールに電話などで問い合わせてみましょう。
資格の取得方法
資格を取得するためには、厚生労働省が定めている研修講座や演習を履修したうえで、修了試験に合格しなければなりません。
試験の合格基準は100点満点中7割以上が合格です。合格率は一般的に90%と言われており、難易度としては極端に難しい試験ではありません。
介護業界が未経験ではじめての人でもきちんと研修に参加して勉強すれば資格の取得が可能レベルです。
資格の取得までの期間は最短で1ヶ月程度です。この期間は各スクールのカリキュラムによって異なります。詳細な情報は各スクールに問い合わせてください。また、スクールによっては無料で資料請求もすることが出来ますので、事前に取り寄せる等して流れを確認しておくのも良いでしょう。
受講科目
介護職員初任者研修の受講科目は合計9科目、研修時間は130時間と決まっています。カリキュラムの一覧と概要は下記の通りです。ぜひ、受講科目の範囲や種類をチェックをしてみてください。
受講科目と研修時間 | カリキュラム内容 |
---|---|
①職務の理解 6時間 | 職務の理解では、介護職としてのあるべき姿や、介護保険制度の基礎について学び、介護保険領域での介護職の役割を学びます。 |
②介護における尊厳の保持・自立支援 9時間 | 介護に従事していると利用者の尊厳の保持や自立支援が非常に重要な考え方となります。介護における尊厳の保持・自立支援では、「利用者の生活の質(QOL)を高めるためにはどういう関わりをすれば良いか?」「自立支援に求められる介護士としての役割」などについて詳しく学習します。 |
③介護の基本 6時間 | 介護では安全な介護技術を各自習得しなければなりません。介護の基本の研修では、介護事故を防止するためのリスクマネジメントの考え方、感染症の感染対策・リスク管理の方法などについて学びます。この感染症から身を守るために必要な研修です。 |
④介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間 | 介護職として働く場合、介護保険や医療保険などの公的な保険制度のもとで働き収入を得ます。各保険制度、サービスの理解は重要です。また、医師や看護師、生活相談員などの各専門職の役割と職種の違いは押さえておきましょう。 医療との連携では、高齢者が医療ケアが必要になったときに、スムーズにかかりつけの病院と連携がとれるようにするために学びます。 |
⑤介護におけるコミュニケーション技術 6時間 | 介護におけるコミュニケーション技術では、高齢者の方とのコミュニケーションの方法や障害者とのコミュニケーション技術について学習します。とくに共感と傾聴のスキルは非常に大切な技術です。 |
⑥老化の理解 6時間 | 年齢を重ねるにつれて人間の体では様々な変化がおきます。老化の理解では、高齢者におきやすい病気や疾患の特徴や注意点などについて理解を深めます。 |
⑦認知症の理解 6時間 | 認知症の理解では、認知症の基本的な症状を知り、利用者・利用者家族との関わり方などについて学びます。 利用者の高齢化に伴い認知症になっている方の数も増加傾向です。認知症は様々な症状が出る病気であり個人によって症状が異なります。そのため、認知症の利用者と接する時は1人ひとりに応じた介護技術や対応が求められます。 |
⑧障害の理解 3時間 | 障害には身体障害、精神障害、発達障害などに分類されます。各障害像について医療的な知識を学習し、理解を深めます。 |
⑨こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間 | こころとからだのしくみと生活支援技術では、介護の現場で必要な移乗介助や食事介助、入浴介助の方法などについて演習を交えながら行います。演習ではグループディスカッションもあるため、他の研修参加者と一緒に学び、介護の技能を高めます。 |
⑩振り返り 4時間 | 振り返りでは、修了評価としてテストが実施されます。テスト問題の内容は、今まで受けてきた研修内容から出題されるケースが多いため、各研修の復習が大切です。 |
テストを受験し合格すれば研修を修了することが出来ます。仮に不合格になっても受験資格を失うことはなく、再度試験を受けることが可能なため、合格に向けて勉強をします。
介護職員初任者研修が活躍できる仕事
ここまで介護職員初任者研修の内容について紹介しました。修了試験に合格することで介護業界での需要が高まり、活躍できる仕事の幅が大きく広がります。ここでは資格の強みを活かして働くことが出来る場所について紹介します。
デイサービス
デイサービスは、自宅や有料老人ホームなどで生活している要支援や要介護認定を受けている方が利用できる、日帰りの送迎付きの介護サービスを提供している事業所のことです。
デイサービスでは、利用している方の日常生活の介護を実施します。例えば、お風呂の介助やトイレ介助がほとんどであり、必要な方には食事介助を行います。
また、利用者に向けて体操をおこない関節可動域・筋力の維持を図ります。レクリエーション活動にも力を入れている事業所も多くあり、季節ごとのイベントを行っています。
ちなみにデイサービスと似た介護事業のサービスとしてデイケアもあります。デイケアも職員が車で送迎し、日帰りで利用できるサービスです。
訪問介護
訪問介護(ヘルパー)の仕事は、自宅などで生活している利用者の自宅に介護士が訪問して介護することです。訪問介護の仕事内容はさまざまです。
例えば、排泄や着替えの介助など利用者の体に触れ生活をサポートする身体介護、掃除や洗濯など家事をサポートする生活援助、利用者の通院をサポートする通院等乗降介助があります。
訪問介護は介護初任者研修の資格なしだと働けないことが要件として決まっています。そのため、訪問介護で仕事をしたいと思っている方は、介護職員初任者研修の取得が必須となるため頑張って資格の取得を目指してください。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、入居対象の条件が決まっています。原則、介護度が要介護3以上の方が対象で、入所して過ごすことが出来る老人ホームのことです。特別養護老人ホームに入所している大半の方が日常生活のほとんどに介助が必要です。
特別養護老人ホームのほとんどが、人手が不足している事業所が多い傾向です。介護職員初任者研修を取得している方だと資格を活かして即戦力で働ける可能性が高いです。
介護職員初任者研修を取得するメリット
介護職員初任者研修に合格することは、介護職としてキャリアを歩んでいくうえでのスキルアップとして有効です。この資格があることで、給与の面やキャリアアップ、ケアマネなど上位資格の取得を目指すときにで非常に有利になる点が多いので以下で紹介します。
給与アップに繋がる
介護業界の給与は基本給に加えて処遇改善手当や各種資格手当が加算されることが多いです。厚生労働省が公表している調査結果では、介護職員初任者研修修了者の平均月収は約30万円、修了していない場合は約27万円の結果となっています。
有資格者と無資格者とでは月額で3万円ほど給料に差があるため、年収になるとその差がより大きくなります。収入の比較結果だけでも介護職員初任者研修を取得するメリットは大きいです。
正社員だけでなくパート勤務で雇用されても資格手当が加算される可能性があります。興味がある就職先の求人情報を見つけたら確認しておくことがポイントです。2024年の介護報酬の改定では加算の要件が変更となっていますので、メディアなどに掲載されている求人情報を探す際は最新のものを確認してください。
※引用元:r04kekka.pdf (mhlw.go.jp)
応募できる求人が増える
介護職を募集している事業所は多く、非常に需要が高い状況が続いています。訪問看護の場合、介護職員初任者研修を修了していないと就職できません。
その他にも介護職員初任者研修を修了していないと入職が難しいこともあります。採用する運営者側からすると、介護の知識がある人を積極的に採用し、即戦力として現場で活躍してほしいと思っているでしょう。そのため、就職活動において資格を持っていることで役立つことがあります。
介護職員初任者研修を修了していることは、履歴書の保有資格の欄に記載することが出来るためアピールに繋がります。
キャリアアップにつながる
介護職員初任者研修は介護職としての入門の資格として位置づけられています。介護職員初任者研修を修了したらその上位資格となる「介護福祉士」「認定介護士」、人気の国家資格である「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などの専門資格の取得に向けてチャレンジすることが出来ます。
介護職員初任者研修を修了しておくと働ける職場の幅も広がるため様々な経験を積むことが出来ます。研修で学んだ内容以上に実際の現場では学ぶことがあり、実践で活かせることがたくさんあります。
このような理由から、一つ一つの経験が自身のキャリアにおいて貴重な財産となり、キャリアアップや転職のために資格を取ることはかなり役立ちます。
介護職キャリアパスのスタートとなる資格
介護職員初任者研修は、介護職としてキャリアを始めるときのスタートとなる資格です。この研修では、介護に必要とされる基本的な知識を学ぶことが出来ます。
介護職員初任者研修の前は、旧ホームヘルパー2級という資格が先にありましたが、2013年に資格が廃止となりました。
旧ホームヘルパー2級では訪問介護に関する内容を学びましたが、介護職員初任者研修では、介護に関する基本的な知識を学ぶ事ができる点が大きな違いです。はじめて介護について学ぶ方でも、介護に関する勉強について安心して学習することが出来る資格であるといえるでしょう。
まとめ
今回は介護職員初任者研修の取得方法などについて解説しました。超高齢化社会において介護職員の人材確保はかなり重要となっています。介護の仕事に憧れや魅力を抱いている方にとって介護職員初任者研修は本当におすすめな資格です。
介護職員初任者研修を取得するためには、学歴や年齢、性別に制限はありません。資格の取得に向けてスクールへの通学や通信講座での受講を選択できるコースもあるため、自分のライフスタイルに合わせて学習したい方にとって学び方を選べることが出来るのはとても良い点です。試験の合格率も比較的高いため、勉強をすれば簡単に取得することも可能です。
介護の仕事に始めて挑戦をする人はぜひ介護職員初任者研修の受講を検討してみて下さい。そして、介護職員初任者研修の資格を活かして将来的に別の資格の取得を目指してみてください。
この記事の著者
派遣のキャリアマルシェ_編集部
介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。
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