介護
投稿日:2024/07/31
更新日:2024/10/14
介護職員初任者研修の修了者向け、履歴書の書き方を解説!正式名称は?資格になる?
目次
「介護職員初任者研修」は介護職の転職でアピールできる資格であり、履歴書にも忘れずに記載することが大切です。また履歴書を書く際には、介護職ならでは視点で、志望動機や自己PRを組み立てていく必要があります。
この記事では、介護職員初任者研修を修了した方に向け、履歴書の書き方や注意点について解説します。履歴書のフォーマットなど初歩的な部分も含め解説しますので、履歴書作成に悩んでいる方はぜひご参考下さい。
介護職員初任者研修の資格も立派な資格!
介護職員としての知識を証明できる
介護の現場では、重い障害を抱え方、認知症を抱えた方、自分で食事ができない方などを介護をすることもあり、症状を理解し、それに応じた対応が必要になります。
そのため介護職として働く上では、介護に対しての倫理観、障害や病気に対しての理解、喀痰吸引の理解など、介護に対しての知識があるに越したことはありません。
実際に、介護に関する知識や理解のある方は採用時に歓迎されやすく、反対にまったく知識のない方の場合、採用されることもあるものの、知識が身につくまで雑用的な業務しか任せてもらえないことがあります。
そして「介護職員初任者研修」の資格は、国家資格ではないものの、介護に関する基本的な知識や技術を有していることの証明として使えます。
より具体的にいえば、介護職員初任者研修を取得していると、以下の一覧に挙げる研修科目・課程を受講し、基礎的な介護知識を習得していることを客観的に証明することができます。
研修科目 | 研修時間 |
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障害の理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
採用担当者側も、介護職員初任者研修がどのような資格であり、育成スクールの養成コース講座内でどのようなカリキュラムを受講するのかを把握しておりますので、介護職員初任者研修を取得していることを伝えるだけで、一定の知識を保有していることを理解してもらえます。
無資格・未経験者との差をつけれる未経験
介護職員初任者研修では、スクーリング授業(通学)により、介護の基本を実技としても学びます。
スクーリング授業で学習をした、ベッドメイキング(体位交換)、歩行や移乗の介護、排泄の介助、食事の介助等の経験は、実際の現場でも役立ち、まだそうした行為に慣れていない無資格者や未経験者に大きな差をつけられます。
また資格の独占業務として、介護職員初任者研修の資格があると訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事が可能となります。
無資格ではヘルパーの仕事自体が行えないため、訪問介護の現場において介護職員初任者研修の有り無しは決定的な差となるわけです。
加えて給料としても差が生じることがあり、介護職員初任者研修の修了者には、「資格手当」として1~2万円程度を支給する施設や事業所も少なくはなく、収入の底上げが期待できるメリットもあります。
介護職員初任者研修における志望動機の書き方について解説!
なぜその施設を選んだのかを書く
介護施設には、特別養護老人ホーム(特養)、グループホーム、デイサービス施設(通所介護)、有料老人ホームなど、さまざまな種類があります。
たとえば特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3以上の症状の重い方を対象とした施設のため、「看取り」の場面に立ち会うことも多いです。グループホームは認知症患者の方を対象とした施設であり、働く上では認知症への理解が求められます。
そのように施設によって向かい合う利用者さんのタイプが異なり、働き方も変わってくるため、「なぜその施設を希望・選択するのか」「なぜその施設でないとならないのか」「これからその施設で何がしたいのか」等が分かる志望の動機とするのが望ましいです。
反対に、「どこでもいい」「人気があるから」といった志望動機や、施設の特性や業務内容をいまいち理解できていない様な志望動機ですと、真剣でない人物として見られ、採用されにくくなることがあります。
実務経験があれば、前職での介護職員としての活躍をアピールを書く
介護業界では人手不足が深刻化しているため、未経験の方も積極的に募集をしているものの、できれば「実務経験は無いよりもあった方がうれしい」というのが採用する側の本音です。
そのため、介護職員としての実務経験がある場合には、たとえ施設の種類や業務の種類が異なっている場合でも、キャリアとして積極的にアピールすることが大切です。
志望動機において「これまでのどのような介護業務を担当したか」「これまで介護現場で何を感じ、なぜ転職予定の施設で働きたいと思ったか」等を実務経験を交えつつ簡潔に述べられると、見込みのある人物として好印象を得やすいでしょう。
また、実務の経験がない方の場合、介護職員初任者研修で学んだことを経験として盛り込むのも一つの手です。
数か月の研修を通し、何を思い、なぜ転職先で働きたいという考えに至ったかの理由が分かる志望動機とすれば、たとえ研修の経験談であったとしても、説得力は増すでしょう。
どの様な介護職員として活躍したいかを書く
「どんな介護職員を目指したいか」「転職後の職場で何を実現したいか」等、転職した後のビジョンやキャリアアップのプランを志望動機に盛り込むこともポイントです。
例:
- 介護をするだけでなく、レクリエーションなどを通じ、高齢者の方々の社会との「つながり」をサポートできる人材になりたいと思い、そのためにデイサービスを就職先として選んだ。
- 特別養護老人ホームで働き、専門性を高め、より高度な介護やサポートを必要とされる方々を助けられる介護士になりたい。
- 身内の介護においてケアマネージャーさんに多々助けられたため、将来自分も多くの人を支えられ、相談にのれるケアマネージャーを目指したい。
ビジョンが明確なほど、やる気や意欲のアピールとなりますので、好印象を持たれやすいです。反対に目的がぼんやりとしていると、すぐに辞めてしまうのではないかと不安視されることがあります。
履歴書を書くうえでの注意点について解説!
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は全くの別の資格であることに注意
2013年4月1日の介護保険法施行規則改正により、介護資格の制度の見直しが行われ、それまで旧「ホームヘルパー2級」と扱われていた資格の名称が廃止され、「介護職員初任者研修」に変更されました。
名称変更の背景には、不明確になっていた介護資格のキャリアパスを明確化する目的があったようです(どちらの資格も入門資格の位置づけであり、取得していると上位資格となる実務者研修の一部カリキュラム(130時間分)が免除されます ※2024年現在)。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は、同等の資格として扱われておりますが、履歴書に記入する場合は、取得した際の名称で記入するのが基本です。
2013年以前にホームヘルパー2級として取得した方であれば、履歴書に記入する資格の名称は、介護職員初任者研修ではなくホームヘルパー2級となります。
なお、ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修で学ぶ内容はほぼ同等ではあるものの、いくつか細かな違いが存在します。以下にまとめます。
■ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い
- ホームヘルパー2級は修了試験なし(介護職員初任者研修は修了試験を受験し合格する必要あり)
- ホームヘルパー2級は5日間の実習あり(介護職員初任者研修では実習なし、ただしその分スクーリング授業時間が増加)
- ホームヘルパー2級では認知症ケアに関する科目がない(介護職員初任者研修では「認知症の理解」の科目にて認知症について学ぶ)
など
事実の内容を書くこと
履歴書には、氏名、年齢、住所、学歴(経歴)、資格、志望動機など、本人に関するさまざまな個人情報を記入します。
履歴書に記入する情報はすべて事実のみです。嘘の内容を記入すると、後々発覚した場合に問題となり、内定取り消しや解雇、損害賠償の請求などが行われる可能性もあります。
その他にも、履歴書は公的な書類となるため、嘘を記入すると「文書偽造罪」「軽犯罪法違反」「詐欺罪」などの罪に問われることもあります。違反しないためにも、間違いなく記入するようにしましょう。
資格名や卒業した学校名などを正式名称で記載すること
履歴書に記入する、資格名、学校名、会社名などの名前は、略称や通称ではなく、正式名称として記入します。
たとえば「初任者研修」は略称であり、履歴書に記入する正式名称は『介護職員初任者研修』です。
上位の資格となる「実務者研修」も略称であり、正式には『介護福祉士実務者研修』となります。
なお、学校の入学年、資格の取得年などの日付は、西暦と和暦(令和〇年のように)のどちらで表記しても問題ありませんが、表記はどちらか一方で統一する必要があります。
ネガティブな内容や前職の施設の批判などは書かない
志望動機を語る上で、退職した会社の悪口や愚痴の様なことを述べる方もいますが、そのような批判的な内容を記入すると、ネガティブ思考な人間として見られ、選考において不利になりやすいです。
内容的にどうしても触る必要がある場合、そのまま書くのではなく、オブラートに包んだ言い回しに変更して述べることも大切です。例
文として「人間関係が悪いので転職を考えた」という内容は「チームワークの良い職場で働きたいと考えた」という内容に言い換えて対策することができます。
また、「自分には介護職しか出来ないと思った」「介護職であれば自分でも出来そうだと思った」といった、「しか」「でも」の弱気な表現、介護職を軽視するような表現も望ましくありません。
言葉遣いに気をつける
履歴書は公的な書類となりますので、言葉遣いがラフになりすぎないように注意し、マナーを守り正しい言葉で記入する必要があります。
特に、次のような言葉遣いは、履歴書では不適切であるため、避けるべきでしょう。
- 話言葉(だから、でも、やっぱり、ちゃんと、しっかり、思ったんです等)
- ら抜き言葉(見れる、来れる、食べれる等)
- 二重敬語(拝見させていただく等)
- 感嘆符や疑問符、崩した表現(!、?、・・・等)
- 略称や通称(バイト、コンビニ、ネット等)
誤字脱字がないか確認を徹底する
履歴書を提出する前に、間違えがないか各部分を一文字一句チェックをしましょう。誤字脱字があると「採用されたいという気持ちが薄い」「やることが雑」と思われてしまうことがあります。
特に介護職の仕事では、ちょっとしたミスが大きな事故になりかねないため、丁寧な仕事ぶりが求められることから、誤字脱字が多い人は必要以上に警戒されることがあります。
なお、よくある質問として「履歴書で誤字脱字があった場合どうしたらよいか」がありますが、手書きの場合は最初から書き直すのが基本です。修正液、消せるボールペン、二重線などで訂正するのは望ましくなく(誰が修正したのかが分からなくなるため)、採用担当者へ悪い印象を与えかねません。
資格の証明書のコピーを必ず添付する
介護職員初任者研修や介護福祉士など、介護に関連した資格を持っている場合、資格の「証明書」のコピーを用意し、履歴書に添付するのが一般的です。中には面接時に原本の持参を求める施設もあります。
証明書をどのように提出するかは、求人の募集要項や採用案内のページに掲載されていることもありますので、応募時によく確認しておきましょう。
また証明書に限らず、提出書類や提出方法について気になる点がある場合には、そのままにせず、採用窓口等に質問・問い合わせを行い、疑問を解決しておくことが大切です。
履歴書の日付は作成日ではない
履歴書の上部には、「〇〇年〇〇月〇〇日現在」と日付を記入する箇所がありますが、ここに記入するのは履歴書を提出した日付であり、現時点の日付(履歴書を書いた日、作成した日)ではありません。
たとえば、面接時に提出する場合は面接日を記入し、郵送の場合であればポストや郵便局の投函日を記入します。メールで送る場合は、メール送信日を記入する形となります。
職務経歴書と一緒にしない
正社員として雇用される場合、介護職においても、履歴書とは別に「職務経歴書」の提出が求められるのが一般的です(職務経歴書の詳細は後述)。
履歴書と職務経歴書を混合してしまったり、一緒に考えてしまう方もおりますが、書類の意味が異なるため、どのような書類であるかを理解して記入することが大切です。
履歴書と職務経歴書では、以下のような違いがあります。
書類のタイプ | どのような書類か? |
履歴書 | 応募者のプロフィールや履歴を確認するための書類(住所や年齢、経歴や資格など) |
職務経歴書 | 応募者の業務経験やスキルを確認するための書類 |
職経経歴書の方が文章を書けるスペースが広く、自由度も高いため、これまでに携わった業務や積んできた経験に関する詳しい話は、職務経歴書の方で記入する形となります。
介護職における履歴書のフォーマットについて解説!
最低限必要な項目
介護・福祉系の履歴書において、最低限必要な項目は以下となります。
- 氏名
- 生年月日
- 年齢
- 現住所
- 連絡先(電話番号)
- 写真
- 学歴
- 職歴
- 免許、資格
- 志望動機
- 本人希望欄
中でも重要なのは「免許、資格」の項目であり、介護職員初任者研修を取得していること、また所得した日付を忘れずに記入しておきたいところです。
加えて、「志望動機」の欄も履歴書ではよくチェックされる重要な箇所であるため、できるだけ広い記入スペースを確保し、動機や熱意をアピールしていきましょう。
なお、履歴書のフォーマットはこれでなくてはいけないという決まりや条件はなく、形式は自由です。
サンプルとなるフォーマットは、インターネット上に無料で多数公開されており簡単にダウンロードできます。
パソコンやスマホを使えば項目の追加や省略が行えるため、自分にとって有利で役立つ形式にアレンジして使用するのがおすすめです。
できるだけあった方が良い項目
以下の項目は、必須ではないものの、できれば履歴書にあった方がよい項目です。
- アピールポイント(自己PR)
- 趣味、特技
- 活動内容
- 通勤時間
- 扶養家族数
- 配偶者の有無
- 配偶者の扶養義務
など
「アピールポイント」や「趣味、特技」を記載しておくと、自分の人間性、キャラクターを伝えられ、面接のときの会話も弾みやすくなります。
職場の近くに住んでいる方であれば、「通勤時間」の項目を用意し、通勤時間の短さをアピールするという方法もあります。
家族がおり、配偶者や扶養の状況を伝えたい場合には、「配偶者の有無」や「配偶者の扶養義務」などそれに関する項目を用意し、履歴書内で先に伝えておくのがよいでしょう。
職務経歴書は別で作成
正社員の選考では、履歴書とは別に「職務経歴書」を用意するのが基本です(「履歴書のみ」の指定がある場合は不要)。
職務経歴書とは、応募者の業務経験やスキルを確認するための書類・資料です。
具体的に、職務経歴書内には以下のような内容を記載します。
- 経験期間
- 雇用形態
- 勤務先名
- 職務内容
- 活かせる能力
- 自己PR
※転職歴が複数回ある方の場合は、勤務先ごとに分け、時系列に一つずつ記載します。
最も重要な項目は「職務内容」であり、どのような職務をしていたか、どのような企業・会社で働いていたか、どのような立場であったか、どのような実績を挙げたか等、前職で携わっていた仕事について詳しく記載することになります。
職務経歴書も、履歴書と同様にフォーマットに決まりはなく、どのような形式でもOKです。
インターネット上には営業職用、エンジニア職用、介護職用など、職種別に最適化されたサンプルフォーマットが公開されており、通常ダウンロードは無料であるため費用は掛かりません。介護職用のフォーマットを選び、必要に応じてアレンジを加えて使うのがよいでしょう。
まとめ
以上、介護職員初任者研修を修了した方向けの履歴書の書き方について紹介しました。
介護職の採用選考では、”介護職として” どのような志望動機をもっているか、どのような経験や資格があるか等を見られています。
履歴書はそれをアピールするための書類となりますので、介護職として自分にどのような強みがあるか、面接官側はどのようなことを知りたがっているかをよく考えながら書き上げていくことが大切です。
そして介護職員初任者研修は、介護への基礎的な理解を客観的に示すことができる材料となりますので、履歴書には忘れずに記載しておきましょう。
この記事の著者
派遣のキャリアマルシェ_編集部
介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。
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