介護
投稿日:2024/08/01
更新日:2024/10/11
「最短一ヶ月」介護職員初任者研修を短期間で取る方法について解説!
目次
介護職員初任者研修を短期間で取得する方法を知りたい方へ有益な情報をお届けします。本記事では、最短一カ月で介護職員初任者研修を修了するための方法を詳しく解説します。
まず、介護職員初任者研修の基本的な内容について説明し、次に受講可能なコースの種類をご紹介します。
そして最短で取得するための具体的なステップや短期集中コースの詳細な受講の流れについても触れます。
最後に短期集中コースを選ぶ際の注意点についてもアドバイスします。介護職のスタートを切るための重要な研修を効率的に取得し、キャリアを一歩進めるための情報が満載です。
介護職員初任者研修とは?
日本には様々な介護の資格がありますが、介護職員初任者研修は基本的な知識やスキルを身につけることができる入門的な位置付けで人気の資格となります。
受験資格
介護職員初任者研修は年齢や学歴、必要資格、国籍、実務経験など受講する上での条件はありません。すなわち未経験・無資格でも目指すことが可能な資格となっています。
資格取得によりできること
介護の仕事には大きく分けて食事、排泄、入浴など利用者の身体に触れる「身体介護」と、食事の準備や洗濯、掃除など日常生活のサポートを行う「生活援助」の2種類があります。
このうち「身体介護」は利用者の身体に直接触れ介助するため、一定の専門知識と技術が必要になります。具体的には、介護職員初任者研修以上の資格が必要となります。
資格取得のメリット
介護職員初任者研修を取得するメリットは大きく2つあります。
1つ目は、キャリアアップについてです。将来的に介護福祉士資格を取得したい場合、介護実務者研修を修了していないといけません。
介護実務者研修を修了するには、本来450時間の研修を受ける必要があります。しかし、介護職初任者研修を修了していれば、130時間分の受講時間を免除することができ、時間の大幅削減となります。
また障害者支援に興味があり、ガイドヘルパーの資格を取得したいと思った際も、受講条件に介護職員初任者研修の資格が必要なケースもあります。
2つめは就職についてです。介護の仕事を始める際、無資格でも就職することは可能です。
しかし給料の良い求人やそもそもの求人数などは有資格者の方が多く、資格を保持している方が就職しやすくなるでしょう。また転職先を探す時も資格を持っていると有利に進められます。
介護職員初任者研修とホームヘルパー2級の違い
2013年の制度改正に伴い、ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修に統合されました。つまり現在ではホームヘルパー2級として新規に取ることはできず、介護職員初任者研修がその役割を引き継いでいます。
資格の移行に伴う大きな変更点は「30時間に及ぶ施設実習の廃止」「介護実技演習の大幅な増加」「筆記試験の追加」「認知症ケアに関する科目の追加」の4点になります。
介護職員初任者研修の受講コース
介護職員初任者研修の講座は、多くの会社や研修機関、専門学校や大学など教育機関で提供しています。受講コースに関しては、提供する企業や機関によっていくつか用意されています。介護初任者研修のカリキュラムは130時間で、平均的な受講期間は1カ月~4カ月程度になります。
週何日通うかによって、取得するまでの期間が変わりますし、「平日のみ」や「土日含む」など多岐にわたるので、自分に合ったスケジュールでコースを選んでいきましょう。
それでは代表的なコースを見ていきたいと思います。
短期集中コース
短期集中コースは集中して講座を受講することにより、最短1カ月程度で介護初任者研修を修了することが可能です。
介護初任者研修講座には「通信+通学講座」と「通学講座」の2種類があります。「通信+通学講座」を選べば全130時間のカリキュラムのうち40.5時間は自宅学習で学べます。
しかし、カリキュラムの性質上、介護初任者研修のすべてを通信学習で学ぶことはできません。実技演習があるため、「通信+通学講座」の場合でも、残りの89.5時間(15日間、1日6時間)は必ず通学する必要があります。
最短で介護初任者研修を取得するためには、週3、4回の通学時間を確保し、いかに早くスクーリング学習を進めるかが重要です。
そのため短期集中コースは、スクールが休みの日も含めしっかり勉強時間を取れる方向けのコーストなります。
週一回コース
短期コースで受講するのは、働いている人にとって日程的に厳しいと感じるかもしれません。そのような場合は、無理せず自分のペースで勉強するのが良いと思います。講座には週1回コース等を用意されている企業も多くありますので、このようなコースを選ぶのも良いと思います。
通学のペースが週一回で、約3.5カ月で介護初任者研修の資格を取得することができます。
以上のようにコースを選ぶ際は、自分のライフスタイルに合ったコースを選ぶと良いでしょう。
様々なコースがあること理解したうえで、どのようにスクールを選ぶのが良いかポイントをみていきます。
費用
スクールによって費用が大きく異なります。学費以外にも教材費や施設使用料など追加の費用がかかる場合もあるので、総額で比較しましょう。
スクールによってはお得なキャンペーンを行っているので、他のスクールと比較し選んで申し込むのも良いでしょう。
また介護職初任者研修が割引になる教育訓練給付金制度というものがあります。これは厚生労働省が雇用の安定と再就職の促進を目的として定めた制度です。
希望者全員が対象というわけではなく、雇用保険の被保険者期間などによって利用する条件がありますので、ご自身が給付金を受け取れるか事前にご確認ください。
立地やアクセス
講座の性質上、必ず通学はあります。そのため通いやすい場所にあるスクールを選ぶことが重要です。忙しい人は特に場所に拘り、近くのスクールやカレッジに申し込みましょう。まずは自分の通える地域にスクールがあるか検索してみると良いです。
実習先の充実度
実習先が多様で、質の高い実習が提供されているか確認しましょう。実際の介護現場での経験が豊富に得られるスクールが望ましいです。
就職サポート
介護初任者研修修了後に就職サポートが充実しているかも重要です。就職先の紹介や面接対策、履歴書・職務経歴書の書き方の指導や相談できる環境だと安心です。
上記のような基準で選び、気になるスクールがあったら、無料で資料を請求することもできるので、パンフレット等確認してみましょう。
また説明会に参加し、直接気になる点を問合せてみるのも有効な手段となります。希望のスクールが募集を行っているかなど積極的に情報収集すると良いでしょう。
介護職員初任者研修を最短で取得するには?
それでは介護初任者研修を最短で取得するにはどうすればよいか解説していきます。
短期集中コースを選択する
介護初任者研修を最短で取得するには、短期集中コースを選択する必要があります。
短期集中コースに通うことにより、上述したように1カ月以内という短期間で資格を取ることができます。
短期集中コースは求職中の方におすすめ
短期集中コースは、通学が週3、4日あります。また通学だけでなくレポート提出による通信学習もあります。そのためまとまった時間を確保する必要があります。
以上の理由から働きながらの取得を考えている場合、最短コースは難しいかもしれません。逆に求職中で今から介護職に就きたいと考えている方には、集中して受講できる最短コースは最適だといえます。
短期集中コースの受講の流れ
介護初任者研修の内容や流れを解説します。
受講前の準備
介護職員初任者研修のスクーリングの際、授業内容に合わせて持ち物が指定されます。
毎回必要な持ち物としては、介護初任者研修のテキストと筆記用具です。実技演習がある際は、エプロンも必要になります。
エプロンを選ぶ際は、実技演習に支障のないデザインを選びましょう。胸元にレースやビーズなどの装飾があると演習中に引っかかったりする恐れがあり危険なので介護には不向きです。また袖がついている割烹着タイプも介護中暑くなるのでおすすめしません。
その他にも授業の内容次第では、ビニール袋、バスタオル、ドライヤー、洗濯ばさみなど持ち物リストにはいる可能性があります。スクールによって持ち物は異なりますので、授業開始前に確認しておくと良いでしょう。
カリキュラムの内容
介護初任者研修で学習する項目は、厚生労働省の指針に基づいたものとなっています。しかし、その学習内容・カリキュラムについては、厚生労働省の指針のもと、各都道府県が実施要綱に沿って指定の養成機関が決めています。下記がカリキュラムの一覧となります。
項目 | 時間数 |
職務の理解 | 6 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9 |
介護の基本 | 6 |
介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6 |
老化の理解 | 6 |
認知症の理解 | 6 |
障害の理解 | 3 |
こころとからだのしくみと生活支援 | 75 |
講義の振り返り | 4 |
合計 | 135 |
それでは各項目ごとに何を学ぶか詳細を見ていきましょう。
職務の理解(6時間)
この項目では、介護現場で働く上での基礎を理解し、実践に必要な知識を身につけることを目的としています。以下は主に学ぶ内容です。
- 介護職の役割と責任
- 介護サービスの種類と提供方法
- 介護現場の組織と他職種との連携
- 介護における基本的な法律と規則
- 介護現場でのリスク管理
- 介護の理念と利用者の尊厳
介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
この項目では、介護における重要な理念である「尊厳の保持」と「自立支援」に焦点を当てて学びます。
- 尊厳の保持とは何か
- 自立支援の重要性
- 尊厳と自立支援のためのコミュニケーション
- ケアプランにおける尊厳と自立支援の反映
- 尊厳と自立支援に関連する法律と倫理
- 尊厳と自立支援のための環境整備
- ケーススタディと実践的アプローチ
介護の基本(6時間)
この項目では、介護職員としての基礎的な知識と心構えを学びます。介護の現場で役立つ基本的な概念や技術を習得することを目的としています。
- 介護の基本的理念と心構え
- 介護職の役割と責任
- コミュニケーションの基礎
- 介護における安全とリスク管理
- 介護に関する法規と倫理
- ケアプランと介護過程の理解
- 利用者の尊厳を保つケア
- 自己管理と自己研鑽
- チームケアの基礎
介護・福祉サービスの理解と医療の連携(9時間)
この項目では、介護職員が提供する介護・福祉サービスの基本的な理解と、医療機関との効果的な連携について学びます。利用者の生活を総合的に支援し、医療と介護が一体となったケアを提供するための基礎知識の習得を計ります。
- 介護・福祉サービスの全体像
- 介護・福祉サービスの提供体制
- 利用者のケアマネジメント
- 医療との連携の重要性
- 医療機関とのコミュニケーション
- 福祉サービスと医療サービスの統合
- 地域包括ケアシステムの理解
- 多職種連携とチームアプローチ
- 緊急時の対応と医療連携
- 介護・福祉と医療連携における課題と対策
介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
この項目では、介護の現場で必要なコミュニケーション技術を学びます。利用者やその家族、同僚との良好な関係を築き、適切な介護を提供するための基本的なコミュニケーションスキルを身につけることを目的とします。
- コミュニケーションの基本概念
- 効果的なコミュニケーション技術
- 非言語コミュニケーション
- 利用者とコミュニケーション
- 家族とのコミュニケーション
- クレーム対応
- 介護記録
老化の理解(6時間)
この項目では、加齢に伴う身体的、精神的、社会的な変化について学びます。利用者の老化に対する理解を深め、適切なケアを提供するための基礎知識を身につけることを目的とします。
- 老化の基本概念
- 身体的な老化
- 精神的な老化
- 社会的な老化
- 老化に伴う健康問題
- 老化に対するケアのアプローチ
- 老化に対する介護職員の役割
認知症の理解(6時間)
この項目では、認知症についての基本的な理解を深め、認知症のある利用者に対する適切なケアを学びます。認知症に関する知識を身につけ、利用者の尊厳を保ちつつ、安全で効果的な支援を提供するための基礎スキルの習得を目的とします。
- 認知症の基礎知識
- 認知症の原因と進行
- 認知症の症状
- 認知症の診断と評価
- 認知症のケアの基本
- 認知症のある人とのコミュニケーション
- 行動・心理状況(BPSD)への対応
- 認知症の予防とリハビリテーション
- 家族支援
- 認知症ケアにおける倫理と法律
障害の理解(3時間)
この項目では、障害についての基本的な知識を学び、障害のある人に対する適切なケア・方法を身につけます。障害の種類や特性を理解し、障害のある人々の生活の質を向上させるための支援方法を習得することを目的とします。
- 障害の基本概念
- 身体障害
- 知的障害
- 精神障害
- 発達障害
- 障害者への生活支援
- 障害に対する理解と共生
- 障害に関連する法律と制度
こころとからだのしくみと生活支援(75時間)
この項目では人体の基本的な構造と機能、心理的な側面について学び、これに基づいた生活支援技術を身につけます。介護職員が利用者の身体的および心理的な状態を理解し、日常生活を支援するための実践的な知識と技術の習得を目的とします。
- 身体の構造と機能
- 心理的な側面
- 疾病と障害
- 介護の基本技術
- 生活支援技術
- コミュニケーション技術
- 緊急時の対応
- 倫理と法規
講義の振り返り(4時間)
この項目では、研修全体を通して学んだ内容を総復習し、自身の学びを深めるための時間です。このセッションは、研修で得た知識と技術を整理し、実際の介護現場でどのように活用するかを考える機会となります。
- 学びの総復習
- 実践への応用
- フィードバックと評価
- 今後の学習計画
- ディスカッションと共有
- 目標設定
以上がカリキュラムの詳細となります。合計130時間とボリュームがありますがしっかり学んで合格を目指しましょう。
短期集中コースを選ぶときの注意点
ここでは改めて短期集中コースに通う上での注意点を解説します。
スクールへ通う必要がある
介護職員初任者研修のカリキュラムは合計130時間の講習を受ける必要があります。そのうち通信講座で受けられる上限は40.5時間になります。残りの89.5時間(15日間、1日6時間)は必ず通学する必要があります。
よってスクールが遠い場所にあると通うのが大変になってしまうので、通うスクールの場所を慎重に選びましょう。また万一休んだ場合の振替講義があるかなどチェックしておくと安心です。
自宅学習の時間の確保
短期集中コースはスケジュールが厳しいため、自宅学習の時間をしっかり確保する必要があります。具体的には1週間で最低10時間~15時間程度学習時間を確保すると良いでしょう。しっかり予習・復習をし、知識の定着を図ります。
まとめ
介護職員初任者研修を短期間でとる方法についての記事を執筆しました。勉強の範囲が多いと感じ、思った以上に大変と感じた方もいるかもしれません。
しかし、介護職員初任者研修は、これから介護業界で働きたいと思っている方にとって、とても役立つ資格となります。また試験は知識の定着を見る試験で、落とすための試験ではいないので安心してください。
しっかり講義を受け、自宅に帰り復習・予習をすれば必ず合格するはずです。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
この記事の著者
派遣のキャリアマルシェ_編集部
介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。
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