介護
投稿日:2023/08/28
更新日:2024/10/14
看護師夜勤の働き方とは?メリット・デメリットや給与事情を紹介!
目次
「看護師の夜勤ってどんな勤務時間なの?」「夜勤をするメリットとデメリットを知りたい」などと考えている看護師さんはいるでしょう。
看護師は、夜勤込みのシフトで勤務している場合が多いです。基本的に毎月シフトを組んで夜勤や日勤に入るため、勤務時間は変則的であり不規則です。また、2交代制や3交代制などの勤務形態だけではなく、勤務している病院や雇用形態でも夜勤の勤務時間や業務、給与事情は異なります。
患者さんの命を守り、生活を支えるための重要な役割を果たすためと理解しても、夜勤の働き方にさまざまな不安を感じている看護師は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、看護師の夜勤の働き方について紹介します。夜勤のメリット・デメリットや給与事情についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
看護師夜勤の勤務時間とスケージュール
まず、看護師夜勤の勤務時間とスケージュールを解説します。
2交代制|夜勤16:30~9:00
3交代制|準夜勤16:00~24:30
3交代制|深夜勤24:00~8:30
所属している病院、配属されている部署などにより2交代制、3交代制など勤務形態は異なります。また、同じ勤務形態でも勤務時間は少しずつ異なります。それぞれの勤務時間とスケージュールをみていきましょう。
2交代制|夜勤16:30~9:00
2交代制の場合、夜勤は16:30~9:00が勤務時間です。2014年度日本看護協会の調査「病院看護職の夜勤。交代勤務など実態調査」によると、2交代制を導入している病院や施設は57.4%です。そのため、多くの看護師が2交代制で夜勤をしているといえます。下記の表で夜勤の勤務時間とスケージュールの一例を紹介します。
16:30 勤務開始、情報収集や日勤看護師からの申し送り
17:30 ラウンド、点滴投与
18:00 配膳、夕食後の薬の配薬、食事介助、口腔ケア、排泄介助、体位変換
19:00 バイタルサイン測定、記録
20:00 休憩(看護師が交代で入る)
21:00 消灯、ラウンド、睡眠薬の配薬、
24:00 ラウンド、排泄介助、体位変換など
翌朝の手術や検査、退院などの準備
仮眠休憩(看護師が交代で入る)
2:00 ラウンド、排泄介助、体位変換
4:00 ラウンド、排泄介助、体位変換
6:00 起床、洗面介助、採血、バイタルサイン測定、点滴投与、記録
8:00 配膳、朝食後の薬の配薬、食事介助、口腔ケア、排泄介助、体位変換
8:30 日勤看護師への引継ぎ、記録
9:00 勤務終了
休憩や仮眠休憩は交代で入ります。時間は合わせて2~3時間となりますが、患者さんの急変や緊急入院などがあれば、十分に休憩時間を確保できない場合もあります。仮眠時間が取れないこともあるでしょう。
また、看護師によっては、緊張状態が続くため、仮眠休憩では寝付けない場合もあります。
休憩や仮眠休憩の過ごし方はさまざまです。お菓子を食べたり、テレビを見たり、スマホで動画やSNSを見たりして過ごします。仮眠せずに勉強して過ごす看護師もいます。
3交代制|準夜勤16:00~24:30
3交代制の場合、準夜勤は16:00~24:30が勤務時間です。2014年度日本看護協会の調査「病院看護職の夜勤。交代勤務など実態調査」によると、3交代制を導入している病院や施設は21.7%です。下記の表で、準夜勤の勤務時間とスケージュールの一例を紹介します。
16:00 勤務開始、情報収集や日勤看護師からの申し送り
16:30 ラウンド、点滴投与
18:00 配膳、夕食後の薬の配薬、食事介助、口腔ケア、排泄介助、体位変換
19:00 バイタルサイン測定、記録
20:00 休憩(看護師が交代で入る)
21:00 消灯、ラウンド、睡眠薬の配薬
24:00 深夜看護師への申し送り
24:30 勤務終了
休憩時間は交代で入り、ご飯を食べたり、テレビを見たり、スマホを見たりなど自由に過ごします。3交代制では、日中に手術を受けた患者さんの状態観察や点滴投与などがあるため、深夜勤より準夜勤の方が忙しくなるケースが多いです。
3交代制|深夜勤24:00~8:30
3交代制の深夜勤は24:00~8:30が勤務時間です。下記の表で3交代制の深夜勤の勤務時間とスケージュールの一例を紹介します。
24:00 勤務開始、情報収集や日勤看護師からの申し送り
1:00 ラウンド、点滴投与、排泄介助、体位変換
4:00 ラウンド、排泄介助、体位変換
休憩(看護師が交代で入る)
6:00 起床、洗面介助、採血、バイタルサイン測定、点滴投与、記録
8:00 配膳、朝食後の薬の配薬、食事介助、口腔ケア、排泄介助、体位変換
8:30 日勤看護師への引継ぎ、記録
勤務終了
24:00頃は多くの患者さんが寝ている時間帯となるため、他の勤務時間と比べて落ち着いて勤務できるでしょう。2時間ごとに病室を回り、患者さんは眠れているのか、容態に変化がないのかなど観察します。
看護師夜勤の雇用形態と業務内容
次に、看護師の夜勤の雇用形態と業務内容を解説します。
正職員(常勤)
アルバイト・パート(非常勤)
派遣社員
看護師の正職員(常勤)は、定められた一定期間、常にその職務に従事し、職務の一つに夜勤業務がある形態をいいます。一般的には「フルタイム」と呼ばれます。日本看護協会調査によると正職員(常勤)は、全看護師の82.9%を占めており、最も多い業務形態です。
そして、アルバイト・パート(非常勤)は、正職員の看護師とは勤務時間が異なります。正職員は週最大40時間に対して、アルバイト・パートは週40時間未満です。正職員と比較すると、自分や家族の都合に合わせて働け、責任がやや少なくなる一方で、待遇が悪く、年収は低くなる傾向です。業務内容は、病院により異なりますが、正職員をフォローする業務が多くなります。
また、派遣社員は正職員の看護師と業務内容はほとんど変わりません。雇用形態が異なり、雇用契約を結ぶ相手や雇用期間に違いがあります。雇用形態によっては、登録型派遣、紹介予定派遣、常用型派遣などがあります。夜勤専従で働く看護師もいるでしょう。さまざまな働き方を選べるのが、派遣社員の特徴の一つです。
看護師夜勤のメリット3選
ここでは、看護師が夜勤をするメリットを3つ紹介します。
夜勤手当で収入アップが見込める
日中に自由な時間を確保できる
急変対応などのスキルアップにつながる
それぞれのメリットを具体的にみていきましょう。
夜勤手当で収入アップが見込める
看護師が夜勤をするメリットは、夜勤手当がもらえるため、収入アップが見込めることです。
夜勤手当の金額は下記の通りです。
2交代制:夜勤 11,286円
3交代制:準夜勤 4,154円
3交代制:深夜勤 5,122円
*2020年病院看護実態調査報告書
2交代制の場合、月に4~6回夜勤があるため、月に7万円弱収入がアップする可能性があります。
夜勤手当の金額は病院により異なります。なかには、1回3万円以上の条件を出しているところもあるため、より収入アップが見込めるでしょう。
日中に自由な時間を確保できる
日中に自由な時間を確保できることも、看護師が夜勤をするメリットです。
夜勤が終わるのは朝で、退勤後は次の勤務まで自由です。つまり、一般の会社員が働いている時間で自由な時間を確保できるのです。疲労困憊で一日中寝て過ごすことも珍しくありませんが、平日の昼間に趣味や娯楽で自分なりの過ごし方ができるのは夜勤明けならではといえます。
平日であれば外に出ても人も少なく、買い物や食事もスムーズにできるでしょう。
急変対応などのスキルアップにつながる
急変対応などのスキルアップにつながることもメリットの一つといえるでしょう。
夜勤は、日勤より少ない人数で行うため、看護師一人ひとりの責任が重くなります。急変の対応なども少ない人数で対応しなければなりません。
負担や責任は大きくなりますが、無事に終えたら看護師としての自信がつき、スキルアップできるでしょう。
看護師夜勤のデメリット4選
そして、看護師が夜勤をするデメリットを4つ紹介します。
生活リズムが崩れる
急な休みを申告しにくい
責任が重い
家族や友人と予定が合わない
それぞれのデメリットを確認しましょう。
生活リズムが崩れる
看護師が夜勤をするデメリットは、生活リズムが乱れやすくなることです。
人は本来朝目が覚めて、夜眠るリズムで生活します。夜勤に入るためには、生まれてから看護師になるまで何十年と続けてきた生活リズムを変えなければなりません。
そのため、身体がついていけず、体調を崩す場合もあるでしょう。夜勤明けになかなか寝付けず、業務中に眠くなるなども起こり得ます。夜勤専従であればある程度対応できますが、日勤と夜勤が混合している勤務では余計乱れる可能性があります。
急な休みを申告しにくい
急な休みを申告しにくいこともデメリットです。
夜勤は少ない人数で勤務を組んでいるため、一人でも欠けてしまうと他の看護師の業務負担が重くなります。そのため、休みを申告しにくい傾向があります。急に長時間拘束されることとなるため、代役もなかなか見つかりません。
業務調整の難しさが、看護師のストレスにつながります。
責任が重い
少ない人数で勤務するため、一人ひとりの責任が重くなることも看護師が夜勤をするデメリットの一つです。
2交代制であれば、15時間以上少ない人数で勤務しなければなりません。夜勤中に急変したり、緊急入院がきたりするときには、看護師一人ひとりの臨機応変な対応と判断力が求められます。
責任の重さが精神的な負担につながります。
家族や友人と予定が合わない
看護師が夜勤をデメリットは、家族や友人と予定が合わないことです。
一般の会社員とは異なる勤務形態であり、夜勤だけではなく、休日や祝日の出勤を求められます。お盆休みや正月休み、ゴールデンウイークなどは看護師には無縁といえるでしょう。
勤務希望の提出ができ予定を合わせられる場合もありますが、所属している部署により異なります。
夜勤の看護師求人を探す際に確認したい3つのポイント
さらに、夜勤の看護師求人を探す際に確認したいポイントを3つ紹介します。
勤務形態
夜勤手当
夜勤の人数
これら3つのポイントは、働きやすさを図るうえで重要なポイントであり、早期の退職につながる可能性があります。それぞれのポイントを具体的にみていきましょう。
勤務形態
勤務形態は、求人を探す際に最も重要なポイントといえるでしょう。
希望する施設や病院が2交代制であるのか、3交代制であるのか、また別の勤務形態であるのか確認しなければなりません。外来や透析室などでは夜勤がなく、手術室やカテーテル室などは夜勤がない代わりにオンコール対応しなければならない場合など、勤務形態により異なります。
勤務形態により生活スタイルが変わったり、身体への負担が変わったりするため、求人を探す前に確認しておきましょう。
夜勤手当
夜勤手当は、求人を探す際に事前に確認したいポイントの一つです。
夜勤手当は、病院により異なります。1回5,000円のところもあれば、1回30,000円のところもあるなど金額の幅が広いです。
夜勤手当は、生活の質やモチベーションに影響するため、求人情報をよく確認しましょう。
夜勤の人数
夜勤の人数も事前に確認しなければなりません。
急性期の病棟など7対1看護であれば、夜勤の人数も多く、一人ひとりの業務負担は軽減できるでしょう。しかし、回復期病棟やケアミックス病棟などであれば、看護師2人で多くの患者さんを担当しなければならない場合もあります。
また、夜勤の人数が2人である場合でも、介護士1人と看護師1人の場合もあるため、人数の内訳も確認しましょう。
看護師の夜勤に関するQ&A
最後に、看護師の夜勤に関するQ&Aを紹介します。
夜勤についての悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。
夜勤前はどのように過ごしているの?
夜勤前の過ごし方は、看護師によって異なります。
勤務時間直前まで寝ている看護師もいれば、朝の6時頃には起きて朝ごはんの準備をす
るママさん看護師もいます。また、朝8時くらいに1回起きて、昼寝をする看護師もいます。
最初の頃は夜勤がある生活リズムに慣れず、どう過ごしたらいいのか分からないでしょう。しかし、夜勤を繰り返す中で自分の生活スタイルが確立されていくので、心配しなくて大丈夫です。
1か月で何回くらい夜勤するの?
1か月の夜勤回数は病院や部署によって異なります。
集中治療室は日勤と夜勤の人数が変わらないため、1日を通して多くの人員を要します。そのため、夜勤回数は多くなり、月に8~9回する場合もあるでしょう。一方で、透析室や外来など夜勤が全くない部署もあります。
夜勤がつらくなったらどうしたいいの?
夜勤がつらくなったら、一度先輩や上司に相談してみましょう。
先輩はこれまでに何回も夜勤を経験しています。夜勤に慣れずつらかった経験をしている先輩も多いです。具体的な対策を教えてもらえれば、つらい気持ちをうまく乗り越えられるでしょう。
また、上司は夜勤回数を減らしてくれたり、業務負担を減らしてくれたりする可能性があるので、一度相談してみましょう。
まとめ
看護師の夜勤は、2交代や3交代制で勤務時間やスケージュールが大きく異なります。
収入アップが見込めるなど、日中に自由な時間を確保できたりなどのメリットがあります。一方で、生活リズムが崩れやすく、急な休みを申告しにくいなどデメリットがあるのが特徴の一つです。
また、個人の向き不向きもあるため、看護師求人を探す際に確認すべきポイントを押さえたうえで検討しましょう。
参考
・2014年度 日本看護協会の調査「病院看護職の夜勤。交代勤務など実態調査」
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/yakinkotai/chosa/pdf/2015gaiyo.pdf
・日本看護協会調査研究報告 「2021年看護職員実態調査」
https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/research/98.pdf
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