2024年から資格の取得が義務化? 無資格から働ける介護の世界 40代女性のための介護の仕事への転職ガイドとキャリア形成の秘訣について解説!

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40代後半の女性の中には、子育てが一段落し、新たなキャリアとして介護職を検討する際、「無資格では働けないのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、無資格でも行える介護の仕事はありますが、2024年4月からは少し事情が変わってくるかもしれません。

この記事では、無資格でもできる介護の仕事、介護職特有の給与体系、2024年4月から義務化される認知症介護基礎研修などについて解説します。無資格で職場を選ぶ際のポイントについても触れていきますので、介護職への転職を成功させたい方はぜひ参考にしてください。

無資格でも介護職として働ける?


慢性的な人手不足である介護業界は、無資格・未経験の方を積極的に受け入れていて、無資格でもできる仕事が数多くあります。


さらに、他業種と異なり、就職した後に介護の知識やスキルを習得させる教育システムが充実しているため、無資格でも介護職として働けます。

まずは、無資格でできる介護の仕事、資格がなければできない仕事を見ていきましょう。

無資格でもできる介護の仕事

1. 身体介護

身体介護とは、利用者の身体に触れて行う業務全般を指します。無資格であっても、有資格者の指導があれば、施設内で食事の介助、入浴介助、排泄支援、着脱介助などの基本的な身体介護を行うことが可能です


身体介護は介護の専門性が求められる仕事で、現場での実践を通じて学ぶのが一般的です。大半の施設では、新人スタッフを対象とした教育プログラムを充実させています。プログラムでは、基本的な介護スキルだけでなく、コミュニケーションスキルや緊急時の対応なども習得できます。

2. 生活援助

生活援助は、日常生活をサポートする業務をいいます。無資格のスタッフができる仕事として、掃除や洗濯、調理、買い物代行、ベッドメイキングなどがあります。主婦が日常的に行っている家事の延長と考えると、負担を感じることが少ないかもしれません。


生活援助は、利用者の自立を支援し、快適な生活を送るためのサポートを行うのが主目的です。日常生活のサポートを通じて、利用者と深い信頼関係を築くことができるため、人と接することが好きな方は、やりがいをもって取り組めることでしょう。

3. その他

施設の受付や電話対応などの事務作業、レクリエーションの企画や準備・実施、利用者の話し相手や心のケアなども、無資格で行えます

利用者一人ひとりの趣味や興味を知ることで、潤いのある生活や生きがいを見つけ出すヒントになり得ます。

40代の方だと、人生経験を通じて身に付けたコミュニケーション能力を活かすことができます。

20~30代の介護スタッフと比べると、年齢的に利用者と近いため、気軽に世間話が行えることでしょう。さらに、利用者の家族との関係を築くことにも役立ち、介護サービスの質の向上に寄与します。

また、運転免許証を持っている方はドライバーとして車の送迎業務も可能です。

無資格ではできない介護の仕事

介護福祉士や看護師など、特定の資格を必要とする専門的な介護や医療行為は、無資格ではできません。無資格で行うと違法になることもあるので注意が必要です。

たとえば、訪問介護のヘルパーが行う身体介護は、介護職員初任者研修以上の資格が必要となります。健康管理などの医療的ケアは看護師の資格、リハビリテーションは理学療法士の資格が必要です

資格を取得すると、高度な介護サービスを提供できるようになり、それと同時に、キャリアアップと給料アップの道が開かれます。

介護職の給料について


介護職の給料は、施設の種類や地域だけでなく、取得した資格や経験年数によって大きく異なります。とりわけ、上位の難関資格を取得すればするほど、給料がアップする仕組みとなっています。

下に資格ごとの平均的な給与を一覧にまとめました。

資格

給与

資格なし

268,680円

介護職員初任者研修

300,240円

実務者研修

302,430円

介護福祉士

331,080円

社会福祉士

350,120円

介護支援専門員

376,770円


参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(157P)」

厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(157P)」によると、無資格者の給与は26万8,680円ですが、介護資格のファーストステップである介護職員初任者研修の資格保持者になると30万240円となり、約3万円アップします。

介護の国家資格である介護福祉士を取得すると、33万1,080円と、無資格者と比べると約6万円もの差が生じます。

高収入を得たい方は積極的に資格を取得してみましょう。

資格手当以外にも、夜勤手当や住宅手当などの各種手当が充実している施設も多いです。求人票を見るときは、どのような手当があるのかを確認してください。

2024年4月から義務化!【認知症介護基礎研修】


令和3年度(2021年)の介護報酬改定に伴い、2024年4月から、すべての介護スタッフに対して認知症介護基礎研修の受講が義務付けられています。

つまり、2024年4月以降はこの研修を受講することが介護職として働く必須条件となるため、無資格では働けなくなります

「4月からは、資格を取得していないと介護職として働けなくなるの?」と驚かれた方もいると思いますが、安心してください。認知症介護基礎研修が義務化されてからも、入職後1年以内に限り、受講の猶予期間が認められています。すなわち、介護スタッフとして働きながら、1年以内にこの研修を受講すればよいのです。


この研修が義務化された理由は、今後増え続ける認知症の方々に対する質の高いケアを提供することにあります。

特に無資格・未経験から介護の仕事を始める人は認知症の人との接し方に戸惑いや不安を感じる方が多いです。厚労省が発表している高齢社会白書によれば、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が発症すると推計されています。

認知症の特徴や適切な接し方・ケアを学ぶことはこれからの介護職において重要になっていきます。

認知症介護基礎研修とは?

「認知症介護基礎研修」とは新任の介護職員等向けに導入された公的な研修です。

2024年3月までの経過措置期間を経て、4月からは介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関連の資格を持たない無資格の人に対して受講が義務化されます。


認知症に関する公的な研修にはいくつか種類があり、ステップアップしていく形で研修を受けていけますが、「認知症介護基礎研修」は認知症介護の基本を学ぶための入門的な研修となっています。

研修は講義と演習の2科目で、6時間程度の講座内容となっており、1日で取得できます。内容も基礎的なもので、取得の難易度は低いといわれています。

認知症介護基礎研修を受講するには?

研修の受講方法は各自治体によって異なります。主流なのはオンライン上で行うeラーニング形式、または対面で行う集合型研修になります。

どんな内容を学ぶの?

カリキュラムの一例と概要を簡単にご紹介いたします。

・認知症の人を取り巻く現状

認知症を取り巻く社会が今後、どのような姿を目指していくのかなど、施策についての理解を進めます。

・具体的なケアにおける基礎的な理念や考え方

認知症の人の現状やご本人やご家族を主体とした考え方や捉え方(パーソン・センタード・ケア)、介護者としての視点などを学びます。

・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識

認知症とは何か、どのような特徴があるのか、またサポートする方法などについて学びます。

・認知症ケアの基礎的技術

認知症の利用者さんとのコミュニケーションの取り方やケアの方法を身につけます。

気になる受講時間と費用は?

資格と聞くと難しいものと感じる方もいるかと思いますが、先にも述べた通り、この「認知症介護基礎研修」は1日で取得できます。

受講時間

eラーニングの場合は、動画視聴が150分程度と確認テスト、自己ワークを行うという流れになり、受講時間は個人差があります。好きな時間に受講できるので働きながらでも難しくない方法です。

集合型研修の場合は、講義が3時間、演習が3時間の合計6時間程度になるようです。

受講費用

受講費用も自治体によって異なりますが、1,000円~5,000円程度のところが多いようです。

免除される場合もある

参考までに、認知症介護基礎研修は特定の資格を取得している人、特定の研修・課程を受講しているなどの場合は認知症ケアについての基本的な知識と技術が身についているとされ、受講を免除されています。

ただし、認知症の民間資格(認知症サポーター養成講座など)は免除対象とはならないので、受講が必要です。

対象の資格

看護師、准看護師、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、はり師、きゅう師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、社会福祉士

対象の研修(修了者)

実務者研修、介護職員初任者研修、生活援助従事者研修、介護職員基礎研修課程、訪問介護員養成研修一級課程・二級課程、認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修 など

その他、福祉系の学校や養成施設で認知症に関わる科目を受講している人、直接介護に関わる可能性がない人は受講が免除されるようです。

キャリアアップを目指そう!


介護業界では、資格支援制度を設けている施設が多く、無資格からスタートしても、介護福祉士などの資格を取得し、専門的知識とスキルを高めるキャリアパスが存在しています。資格を取得することで、全国津々浦々の介護施設で働くことができ、転職の際によりよい条件で働く機会を手にできます。

また、資格取得による給料アップも期待できるため、長期的なキャリアプランを考える上で、資格取得は非常に重要です。

まずはどの研修を取得するべき?

無資格から受講できる研修として「認知症介護基礎研修」と「介護職員初任者研修」があります。

介護職員初任者研修とは、介護職として働くうえで必要な知識や技術を身につけられる、介護の入門的な資格です。座学に加えて実技の研修も行うので実践的なスキルが身につけられます。

介護職員初任者研修を修了していた場合、認知症介護基礎研修は免除され、受講する必要はありません。

では、どちらの資格を取得した方がいいのでしょうか。

「認知症介護基礎研修」は介護職員初任者研修に比べて費用と時間があまりかかりません。

介護職員初任者研修の受講費用は選ぶスクール等によってさまざまですが、平均して5~8万円ほどかかるので、その違いは大きいでしょう。修了までに必要な期間は1~4ヶ月かかってしまいます。

早めに資格を取得したい人、とりあえず介護職として働ける資格を取得したい人は「認知症介護基礎研修」を受講しても良いでしょう。

一方で介護職として幅広く仕事ができるようになりたい人、介護士として活躍したい人は介護職員初任者研修の受講がおすすめです。

初任者研修を取得しておけば利用者さんの自宅を訪問して身体介護や家事を行うホームヘルパーとしても働けるため、転職先の選択肢が増えるというメリットもあるでしょう。

施設によっては資格の取得支援などを行っている場合もありますので、あらかじめ情報を確認しておくと良いでしょう。

無資格での転職事情


無資格でも介護業界への需要は高く、多くの施設が積極的に採用しています。

中でも、資格支援制度や充実した研修プログラムを提供する施設は、無資格の方にとっても魅力的な就職先となります。

無資格であっても、介護の仕事に情熱を持ち、人と接することが好きな方であれば、多くの施設が歓迎してくれることでしょう。

実際の介護現場では介護のスキルも大切ですが、それ以上に高齢者への理解と対応する力が求められます

特に高齢者と関わる機会が多かった人は介護の仕事が未経験でもすんなり職場になじめる可能性が高いです。

資格や技術がなくても、コミュニケーション能力が高かったり、利用者さんの変化に気付ける観察力をもっていたり、明るく穏やかな人柄であれば職場でも必要とされ、活躍することができるでしょう


無資格・未経験の方は覚えることが多くて最初は大変な思いをすることもあるかもしれません。

しかし、介護技術も知識も介護の実務経験を重ねていけば徐々に慣れていけます。

無資格で職場を選ぶときのポイント


無資格で介護の仕事を始める際には、以下の4つのポイントを考慮して職場を選ぶのがおすすめです。

1.資格支援制度の有無

長期的なキャリアを形成するため、資格取得を目指す場合は、資格支援制度が整っている職場を選びましょう。

訪問介護の事業所よりも、介護施設の方が一般的に資格支援や教育・研修制度が充実しているといわれています。

2.教育・研修制度の充実度

入職後にしっかりとした研修を受けられるかどうかも、スキルアップの観点から重要です。

資格支援制度が充実している施設では、費用を施設が負担してくれたり、シフトの日程を調整してくれたりすることもあります。

3.スタッフの働きやすさ、職場の雰囲気

職場の雰囲気やスタッフ同士の人間関係は、長く働く上で大切な要素です。事前に施設見学ができる施設は安心して働けることでしょう。

4.利用者との関係

利用者一人ひとりと深い信頼関係を築けるような職場かどうか、利用者が笑顔で暮らせているかなども確認してください。

まとめ


介護職は無資格からでもなることができ、活躍しやすい職種と言えます。

慢性的な人材不足に陥っている介護業界が無資格の方を積極的に受け入れ、施設の多くが教育・研修プログラムを充実させていることが理由です。

2024年4月からは認知症介護基礎研修が義務化されますが、これから無資格の方が介護職に就けなくなるというわけではありません。無資格で入職した後1年以内に、この研修を受講すれば大丈夫です。

介護の仕事は、人々の生活を支える重要な仕事です。資格支援制度や研修プログラムをフル活用しながら、介護の仕事に挑戦してみましょう。

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