介護業界の深刻な人材不足の実態とは?原因や解決方法も紹介

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介護業界を取り巻く人手不足の深刻さは年々深まるばかりです。少子高齢化の社会が進むにつれ、その深刻さはより度合いを増していくでしょう。

この記事では、介護業界を取り巻く人手不足の現状や背景、今後に向けた解決策を紹介しています。

状況が気になる人は、ぜひ、記事内容を確認の上、理解を進めておきましょう。

介護業界の深刻な人材不足の現状と背景


介護業界の人手不足にはどのような背景があるのでしょうか。現状を確認してみましょう。

人手不足の現状

介護業界は現在、深刻な人手不足に苛まれています。公益財団法人介護労働安定センターが実施した「令和元年度介護労働実態調査」によると、調査対象となった全事業所のうち、65.3%が人手不足を感じているとのことでした。

訪問介護職員だけで見ると81.2%もの事業所で人手不足という回答がなされています。現時点で、多くの高齢者を現役世代が支える構造に歪みが生じており、とても深刻な状況です。

少子高齢化による介護需要過多

原因の背景にあるのは、少子高齢化です。日本の出生数は依然減少を続けており、2065年には56万人になると言われています。

出生数の減少は、現在の生産年齢人口に影響を及ぼし始めています。少子高齢化による働き手不足と介護需要の過多というアンバランスな構造によって、介護業界は慢性的な人手不足に陥っているのです。

介護業界が人材不足に陥った原因


介護業界が人材不足に陥った理由として、主に次の3点が原因として考えられます。

・社会的地位や評価の低さ

・評価制度が曖昧

・人間関係による離職

社会的地位や評価の低さ

介護業界で働いてみようと思って業界のことを調べてみると、そのネガティブなイメージにたじろいでしまう人は多いのではないでしょうか。

仕事内容に割に給与は他の業種に比べても割安です。介護福祉士の資格がなければ仕事に見合う給与を得ることは難しいでしょう。

働いている人は、大変な仕事内容や賃金の安さにもかかわらず、やりがいを持って仕事をしています。しかし、未経験から挑戦してみようと思う人にとっては、ネガティブイメージが思わぬ障壁となって、良い人材が集まりにくくなっています。

評価制度が曖昧

職場での評価が正しく定まっていないと、それぞれの働きぶりや仕事の成果が正しく評価されません。職場の平穏のために平等な評価を重視すると、仕事ができる人は浮かばれないでしょう。

評価制度の曖昧さは、属人的な評価につながり、やがては職場の不満として蓄積していきます。評価制度が曖昧なままだと、昇格や昇給につながる評価は年功序列に陥ってしまい、若手とベテランの軋轢にも発展します。

職場のあらゆるところで人間関係の分断が発生し、やがては慢性的な離職と人手不足に発展する流れです。

人間関係による離職

介護の現場で人手不足が発生する要因の一つに、離職率の高さが挙げられます。

介護の仕事は、低賃金で体に負担がかかる上に、決して綺麗な仕事ではなく、時には危険も伴う厳しい仕事です。

しかし、厳しい仕事でありながらも実際にはやりがいをもって働いている人が多く、離職率の高さは仕事内容が原因とは言い切れないようです。

公益財団法人介護労働安定センターが行った調査によると、離職理由でもっとも多かった理由は、職場の人間関係でその割合は23.2%です。仕事内容に不満を感じて離職している人は少数派でした。

低賃金は介護業界の課題の一つですが、低賃金を理由とした離職は6番目です。仕事内容や低賃金が直接離職の理由になることは少ないようです。

労働環境や待遇の改善もさることながら、従業員の定着には円滑な人間関係がもっとも重要な課題と想定できます。

人材不足を解決するための具体的な方法


人材不足を解消するための方法を4つ、紹介します。

・人間関係改善のために風通しの良い職場を作る

・本気で積極的な採用に取り組む

・人材派遣も積極的に使う

・外国人介護人材の検討

人間関係改善のために風通しの良い職場を作る

人間関係改善の対策として、相談窓口を設置する方法があります。相談窓口を設けていない事業所は、労働環境や人間関係に関する悩みを持つ従業員が多くなり、慢性的な離職や人材不足に悩まされがちです。

従業員が問題を抱えた時に、気軽に相談できる窓口があれば、人間関係の問題解決だけでなく、現場意見の集約による労働環境の改善にもつながります。

その他、声かけや挨拶の徹底など、現場でのコミュニケーション活性化にも十分な気配りが必要です。

積極的な採用に取り組む

人材採用をハローワークや人材派遣会社に任せているだけで、積極的に動いていない事業所は案外多いのではないでしょうか。介護業界では、待ちの採用にのみ頼っていては満足のいく採用結果は得られないでしょう。

まず、コーポレートサイトのリクルートページが充実していない場合、根本的に見直しましょう。ネガティブなイメージが先行しがちな介護業界だからこそ、未経験の人でも働いてみたいと思えるような情報発信がとても大切です。

以前に比べて、情報発信にかかるコストはかなり割安になっています。SNSやブログなど、WEB上での情報発信などは初めに取り組める施策になるでしょう。

その他、人材派遣などの人材紹介会社を使う場合、ある程度の働きかけも必要です。

紹介会社は常に、数千から数万件の求人を取り扱っています。「待ち」の姿勢だけでは数多ある求人のなかに埋没してしまうでしょう。紹介手数料に見合った成果を出してもらうためにも、人材紹介会社へ掲載情報の提供や掲載順位アップのための施策を相談するなど、積極的に活用するという観点を持つことが重要です。

派遣も積極的に使う

人材派遣は、間に合わせの採用というイメージが強いですが、雇用側のニーズに合わせた採用ができる、残業管理の徹底、派遣会社を介したトラブルの対処など、直接雇用とは異なるメリットがあります。

自社採用のパート社員や正社員で陣容をしっかり固めたい一方、人材難の昨今では、人材派遣会社ともしっかりと繋がりを持っておいた方が良いでしょう。

現場の状況に合わせて雇用の調整ができるメリットもあり、人件費のコントロールがしやすくなるメリットもあります。

外国人介護人材の検討

人材不足解消のために外国人採用枠を拡大する方法も検討したいところです。

少子高齢化が進む日本では、若年層の雇用に限界があるため、高齢者や女性の活躍が推進されています。

しかし、介護の現場ではある程度体力が必要な場面もあり、女性や高齢者ではカバーしにくい点があることも否めません。

日本で働きたいと考えている外国の若者や、すでに日本に在住している外国人の雇用は労働力確保の有効な手段の一つです。

介護DXによる人材不足の解消


介護業界の人手不足を解消するには、DX化も必要となります。介護DXについて、具体例を3つのポイントにて紹介します。

・ペーパレス化による業務負担の削減

・グループウェアの活用

・将来は介護ロボットの導入も?

ペーパレス化による業務負担の削減

多くの介護現場では、利用者一人ひとりのケアや日々の記録、申し送りについて、多くの時間を割いているのではないでしょうか。

例えば、業務中に簡易的なメモをとって、あとで正式な書類へ写したり、パソコンに入力しなおしたりなど、二度手間となっているケースです。

余計な手間を省いて業務の簡素化に役立つのは、タブレットなどの端末と介護システムの連携によるペーパレス化です。

離れた場所からでも簡単に介護システムへ連携できるため、場所や時間に捉われることなく、データを記録、共有できます。引き継ぎ業務の負担もペーパレス化によって大幅に削減できるでしょう。

グループウェアの活用

グループウェアはチャットやスケジュール管理、タスク管理、ファイル共有、WEB会議などの機能がまとめられたソフトウェアです。離れた場所からでもすぐに情報にアクセスでき、チャットでも情報の共有ができます。

日々忙しい介護の現場では、口頭による情報伝達のみでは、周知漏れや情報伝達のミスが起こりがちです。グループウェアにはやり取りの履歴が残るため、意思の疎通ができなかった場合でも、確認の上修正することも容易です。共通の進捗管理表やスケジュール表を利用できるため、業務の効率化も捗るでしょう。

将来は介護ロボットの導入も?

介護の現場は、力仕事が多く、従業員への体力的負担は大きなものです。介護の作業を手助けするロボットは、人材不足に直面している介護の現場にこそ必要なものです。

厚生労働省は、介護ロボットの導入について、開発や普及を支援しています。今後、介護ロボットが受け持つとされる介護の仕事は次のとおりです。

・高齢者が体に装着することで歩行を助けるもの

・介助者が装着することでパワーアシストするもの

・高齢者が移動する際に使う歩行アシストカート

・センサーや外部通信機能を用いた見守りシステム

・設置位置を調整できるトイレ

今後はより多くの介護現場で、介護ロボットが導入される見込みです。

まとめ

深まる介護業界の人手不足問題には、根本的な採用活動や従業員定着のための施策、DX化など、手を尽くす必要があります。

何もせずにこのままの状態だと、現場は回らなくなってしまうでしょう。介護現場で人手不足を感じたら、まずは職場環境など根本的なところから見直し、DX化を推進したり外国人材の受け入れを検討していきましょう。


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