転職
投稿日:2024/04/12
更新日:2024/10/14
介護士への転職を成功させたい!業界の実態とよくある失敗からポイントを解説
目次
自分の条件に合った働きやすい職場を選んだはずが、「思っていた職場ではなかった」「もっと条件の良い職場に転職したい」と後悔していませんか?
また、これから転職活動をする方も「自分に合った職場で働けるだろうか」という不安な気持ちを持っていたり、「やりがいを感じる職場でキャリアを積みたい」と思っている方も多いでしょう。
転職を考えているほとんどの方は人間関係の良好さや働きやすい職場環境、待遇の良さを求めていますが、事前に情報を集めていなかったり、焦って職場を決めてしまうとミスマッチが起こり、すぐに辞めることになってしまう可能性があります。
この記事では、介護士の転職の実態とよくある失敗から成功するためのポイントを解説いたします。
ポイントを押さえ、自信をもって転職活動を行い、介護士の転職を成功させましょう。
転職に成功した事例
まずは、転職に成功した例をご紹介します。
介護士未経験の方と、すでに介護職を経験している方の転職エピソードを詳しく見てみましょう。
介護未経験の方の転職成功エピソード
【40代、女性、Aさん】
Aさんの前職は、スーパーのレジ打ちでした。
雇用形態はパートで、週に4〜5日働き、月収は約14万円です。
Aさんの母親は、訪問ヘルパーの介護サービスを受けており「このような仕事もあるのか」と介護職の存在を知ります。
介護職として働くことができれば、母のサポートをすることができ、自分次第でキャリアアップが可能なことに魅力を感じ、デイサービスへの転職を決意しました。
Aさんはヘルパー2級の資格を取得し、デイサービスの正社員として働き始めます。
また、デイサービスに勤務中に介護福祉士の資格を取得したことで手当がつき、月収は約22万円になりました。
介護職として働き始めてからは、自分の健康にも気をつけるようになり、母のサポートをしながら充実した毎日を送っています。
成功のポイント:資格を取得したこと
介護職の給料は施設の種類や地域だけではなく、取得している資格や実務経験によっても得られる金額も大きく変わってきます。
上位の難関資格を取得すればするほど給料もアップしていきます。
未経験からの転職の場合は、介護職員初任者研修などの資格を取得することで手当をもらい、収入面での不足を補うことができるかもしれません。
資格は介護スキルを持っていることの証明になるので、採用されやすい場合もあります。
介護福祉士/介護士からの転職エピソード
【50代、男性、Bさん】
Bさんは6年間、特別養護老人ホームで働いていました。
しかし、介護福祉士の資格を取得してキャリアアップをしたいと思い、コツコツと転職活動を始めます。
「自分にはどのような職場が合っているのか」と自己分析していると、介護付き有料老人ホームがピッタリだということに気づきます。
そこからは、いくつかの施設へ見学に行き、そこで働いているスタッフの雰囲気やご利用者様の様子を介護経験者の視点から観察しました。
しっかりと自分の目で見て確かめ、理想の職場を見つけたBさんは、無事に介護福祉士の資格を取得し今ではスタッフリーダーとして働いています。
成功のポイント:事前に施設見学を行ったこと
介護職員として働ける職場はさまざまで、高齢者が入居する施設にしても特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅などがあります。しかし、求人情報や施設のホームページだけでは実際の様子を知ることは難しいものです。
求人の応募前に施設の見学や入職体験ができる場合は、施設を訪問し職場の雰囲気やスタッフ同士の関係、コミュニケーションの状況などを見てみるとよいでしょう。
自分に合っているか、協力し合える環境かどうか分かれば自分が入職した時のイメージもしやすくなります。
転職に失敗した事例
ここからは、転職に失敗した事例をご紹介します。
仕事内容と職種に対するエピソード
元々、訪問ヘルパーとして働いていたCさんは介護施設に転職することにしました。
訪問ヘルパーとして働いていた時は、基本的に一人で行動していたため、ある程度自由が利きました。
しかし、介護施設ではチームで働くことが基本です。
その結果、今までとは異なった働き方をすることになり、日々ストレスを感じながら仕事をしています。
失敗の原因:仕事内容の違いを把握していなかった
介護現場では介護スタッフ同士、医師や看護師、社会福祉士、ケアマネジャーなど別々の職種が連携してご利用者様の介護にあたるチームケアが基本となります。協調性は介護において重視されるポイントになります。
同じ介護職でもその仕事は施設形態やご利用者様の介護度、提供しているサービスによっては医療・看護の知識が必要だったり、事務作業の残業が多かったり、その内容が変わってくることがあります。
施設の見学や入職体験ができれば、前職での働き方とのギャップも小さくなり失敗を防げるでしょう。
給料に関わるエピソード
転職したDさんは、新しい職場から「労働条件通知書」をしっかりと確認できていませんでした。
その結果、口頭で伝えられていた給料と実際の給料に差異があり、それに気づかず思っていた労働条件と異なる結果となり、満足いく勤務ができず不満がたまってしまいました。
失敗の原因:労働条件が把握できていなかった
基本的に労働条件通知書を発行しないのは違法となっており、労働基準法により明示することが義務付けられています。
また、求人情報に載っている条件はあくまでも概要となっており、実際の労働条件に差がある場合も考えられます。
労働条件通知書で条件を一覧で確認するためにも、なかなか手元に発行された通知書が来ない場合は、まずは内定先の担当者に問い合わせしましょう。
労働基準法第15条第1項に規定されている項目(労働条件)を明示するよう定められているので通常は発行されるはずです。
労働条件通知書をしっかりと確認していないと、認識のズレが生じトラブルになってしまうかもしれません。
転職の際には労働条件通知書をもらい、自分の希望する処遇と一致するのかどうか条件を確認しましょう。
人間関係から就職のエピソード
Eさんは20代の女性です。
求人募集には「風通しの良い職場」「人間関係は良好」という記載があったにも関わらず、Eさんが挨拶をしても無視されることが頻回にあります。
ギスギスした職場で働きたくないと思ったEさんの同期は、入職してわずか2ヶ月で退職しました。
失敗の原因:人間関係が悪かった
介護職は他者とコミュニケーションを取る機会が非常に多い職種です。
ご利用者様のケアも複数のスタッフで連携して行うので、人間関係の悩みは業務にも影響が大きく、介護職の退職理由のランキングでも上位に挙がります。
逆に言えば、うまく人間関係を構築できれば居心地の良い職場になり、長く働き続けることができるでしょう。
求人情報から人間関係の問題は読み取りにくいので、施設の職場見学に行き介護スタッフ同士の雰囲気を観察することが大切です。
未経験・新卒からのエピソード
今まで営業職と働いていたFさんは、ドラマで介護職の存在を知りました。
それをきっかけに介護職のことを調べていると、興味が湧いてきたため思い切って営業職を辞めて介護業界への転職を決意します。
その後、転職したことを家族に伝えると「どうしてそんなに大変な職種に転職したの?」と大反対されました。
失敗の原因:介護への認識の差があった
転職後に仕事内容がイメージと違ったという理由で辞める方もいます。
介護の仕事は施設やサービスによって様々です。例えば介護度の高い高齢者が入所している特別養護老人ホームなどでは入浴介助やおむつ交換など体力が必要になる場面も多くあり、簡単な仕事ではありません。
提供しているサービスや特徴、ご利用者様の要介護度、仕事内容をしっかり確認し、本当にやりたいと思えるのか検討することが大切です。
介護はスキルも大切ですが、無資格・未経験であっても介護の仕事に情熱を持ち、コミュニケーション能力が高くご利用者様の変化に気付ける観察力のある人材であれば介護現場でも活躍できるでしょう。
転職の流れを改めて確認
ここで、介護職の転職の方法を改めて確認しておきましょう。
① ハローワークや求人サイトなど活かして求人を探す②気になった施設に応募をする
③スケジュールを調整し面接を受ける
④電話やメールで内定をもらう
⑤内定を貰ったら1週間以内に承諾か辞退の連絡をする
以上が基本の流れとなっています。
転職をスムーズに進めるためにも、しっかりと確認しておきましょう。
成功のための重要なチェックポイント
ここからは、成功のためのチェックポイントを4つご紹介します。
志望動機をはっきりさせる
まずは、志望動機をはっきりとさせましょう。
「専門職としてキャリアアップをしたい」「子育てが落ち着いたため介護職として復帰して長く働きたい」など、人により志望動機は異なります。
自分のライフスタイルやどんな部分にやりがいを感じるのかなどを考えると同時に、なぜ前の職場でそれができなかったのかを比較すると具体的な志望動機として捉えることができます。
自分が何を重視しているのか、自分の軸をしっかりと持っておくことが一番大切で、それをベースに理想の職場を探すことで、納得できる施設の就職に向けて活動できるでしょう。
希望の条件を明確化して探す
あなたが転職先を選ぶ希望の条件はなんでしょうか?
仕事内容、給料、人間関係、キャリアアップ、福利厚生、休日体制、経営方針などの視点から、条件を明確化しておきましょう。
介護業界では要介護の高齢者が入所する介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といった施設以外にも、グループホームや通所介護事業所(デイサービス)、訪問介護事業所など、さまざまな種類の業種と介護サービスがあります。
それぞれの施設・サービスの特徴や自分にとってのメリットを把握しておきましょう。
介護職員の給与額は施設や資格の有無などによっても変わってきます。
また、将来のキャリアとしてケアマネジャーなどの資格の取得を目標にしている場合、資格取得の支援や研修などの制度が整っているかどうかも重要になってきます。
人間関係については転職前に把握することは難しいかもしれませんが、求人の応募前に施設の見学ができる場合はその施設で働く職員同士が現場でどのようなコミュニケーションを取っているかを確認してもよいでしょう。
介護職は介護が必要な高齢者を年間を通して24時間365日ケアする必要があります。
そのため、勤務はシフト制となっており、土日祝日も休みというわけではなく出勤することになります。(一部の施設は日曜日休みなどがあります。)
特に、どうしても休みたい日は休みの希望や有休を入れることで対応します。
会社の理念や方針と自分の働き方が合うかどうか確認することも大切です。
焦って職場を選んでしまうと会社が求める介護と自分の理想の介護との差が生じ、それが仕事への不満やストレスになってしまう可能性があります。
働きながら早めの準備を進めておく
転職をしたい場合は、働きながら次の職場を見つけておくと安心です。
仕事をやめてから転職活動をすると、転職先がなかなか見つからない場合に焦りが生じます。
焦った結果、自分の希望する条件とは異なった場所へ転職してしまうこともあるでしょう。
それを防ぐため、金銭的・時間的余裕がある時にコツコツと転職活動をすることがおすすめです。
おすすめの時期を逃さないようにする
4月は他の職種と同様に求人数が増えます。理由としては、年度末で仕事を辞める方が多いことが挙げられます。
他にも、退職のタイミングとして「ボーナスをもらってから」と考える方も多いので、ボーナスが出る前後の7〜8月や12月〜1月には求人が出やすいです。
介護業界は時期に関係なく転職しやすい傾向にありますが、人手不足のため求人を出しているような施設へ転職してしまうと想像以上に忙しくなり、身体を壊してしまい、思うように時間を取れないかもしれません。
求人が増えているタイミングでは選択肢の幅が広くなるので、条件の良い転職先が見つかる可能性が高くなります。
転職する際には転職サイトや転職エージェントの登録をしていると役立ちますので、今ご紹介した時期を逃さず求人情報をこまめにチェックしてください。
介護業界の実態
転職活動をする前に、介護業界の実態を把握しておきましょう。
介護職員数の推移と離職率
厚生労働省によると、2019年度時点で働いていた介護職員数は約211万人でした。
2023年度になると、介護職員の必要数は約233万人に、2025年度には約243万人、そして2040年度には約280万人まで増加すると言われています。
高齢者数は今後も増加するため、介護職員数の需要はさらに増え続けるでしょう。
また、「令和4年度 介護労働実態調査結果」によると、2022年度の介護職の離職率は14.4%でした。
介護職の離職率のピークは2007年で21.6%の状態のため、離職率は低下していることが分かります。
介護業界の有効求人倍率と平均賃金
有効求人倍率とは、経済指標の1つで有効求職者数に対する有効求人数の割合のことです。
倍率が1以上であれば求職者数よりも人を探している企業数が多く、1よりも少ない場合は求職者数の方が多いことを意味します。
厚生労働省によると、令和2年の介護職の有効求人倍率は3.88倍でした。
つまり、求職者1名に対し4ヶ所の企業が求人を募集しているということになります。
全職業の有効求人倍率は1.06倍のため、介護職は他の職種に比べて求人数が多いです。
介護職は、自分の希望する転職先を選択しやすい職種だと言えるでしょう。
また、介護職の平均年収は318万円と、全職業の平均年収433万円よりも低い傾向にあります。
しかし、夜勤のある特別養護老人ホームや老人保健施設は比較的賃金が高いと言われています。
夜勤がないデイサービスなどは、働きやすいかもしれませんが賃金は低く設定されているかもしれません。
「自分がいくら稼ぎたいか」を明確にしてから転職すると、理想と現在のギャップが生じにくいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?今回は、介護士の転職の実態とよくある失敗からポイントを解説しました。
転職の目的として多くの人は環境や待遇の改善を求めています。しかし、焦って職場を決めてしまったり情報収集が不足したりしていると思うように働けず早期離職となってしまう可能性があります。
介護職の転職成功のコツは、自己分析を行い志望動機をはっきりさせること、希望の条件を明確にすること、生活に余裕をもちながら転職活動を行うこと、そして転職時期を見極めることの4つです。
介護職は平均賃金が低めに設定されていますが、今のところ今後も需要がなくなる心配はありません。
しかし、いくら需要が高く安定しているとはいえ転職を繰り返すことは避けたいものです。
介護職の転職を成功させるために、今回の内容をぜひ参考にしてください。
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