介護
投稿日:2023/07/21
更新日:2024/10/14
介護食とは?選び方やおすすめの宅配サービス3選を紹介
目次
「介護食はどう準備したらいいの?」「親が介護認定されたけど…介護食に対応しているおすすめの宅配サービスを知りたい」と考えている方は多いでしょう。
介護食とは、食べる機能が低下した方へ提供する食事のことです。
高齢になると、口に食べ物を入れて噛み、飲み込むなどの動作をスムーズにできなくなり、食事摂取にかかわる機能が低下します。高齢者の方が安全に、そして身体機能を維持するために、介護食は欠かせません。
そこで、本記事では介護食の選び方やおすすめの宅配サービスを紹介します。介護認定を受けた親への介護食の選び方や作る際のポイントがわからず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
介護食とは?食べる機能が低下した方へ提供する食事
介護食とは、高齢者や食べる機能が低下した方々に特別に提供される食事のことであり、食べやすいように調理方法などを工夫した食事のことです。
加齢のために筋力の低下や歯の衰えがみられ、今まで食べていた食事が食べにくい、飲み込みにくいと感じる場合があります。食べにくさから食欲の低下につながり、心身の健康を維持できなくなるだけではなく、免疫機能の低下や認知機能の低下、消化機能の低下などを引き起こす可能性があります。また、うまく食べられなければ誤嚥を引き起こす可能性もあるでしょう。
日本は、高齢化社会が進んでおり、2035年に65歳以上の高齢化人口は3,741万人となり、そのうち要介護(要支援)認定者数は、899万人になると推測されています。高齢者の増加により介護食のニーズもますます高まっていくと考えられます。
介護食4つの区分
次に、介護食の区分を紹介します。介護食は、日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフード」により下記の4つに区分されます。
l 刻み食
l ソフト食
l ミキサー食
l ゼリー食
引用:日本介護食品協議会
それぞれ4つの介護食を詳しくみていきましょう。
刻み食:食材を細かく刻んだ食事
刻み食とは、食材を細かく刻んで食べやすくした介護食です。ユニバーサルデザインフードの区分1に該当し、食事の硬さは容易に噛める程度です。
普通に飲み込める方、噛む力が弱くなり始めた方や大きく口を開けられない方を対象としています。具材は大きめであり、一般の食事と見た目や食感は変わりません。
ソフト食:食材をやわらかくした食事
ソフト食とは、食材を柔らかくて食べやすくした介護食です。ユニバーサルデザインフードの区分2~3に該当し、食事の硬さは、歯茎でつぶせる程度~舌でつぶせる程度です。
食材を煮込んだり、ゆでたりしてムース状にするなどして調理しています。歯茎や舌で簡単につぶせるため、歯がない方や噛む力が弱くなった方を対象とした食事形態です。具材は柔らかくなっていますが、ある程度の大きさがあり、見た目でもおいしく感じられるように配慮しています。
ミキサー食:食材をミキサーにかけた食事
ミキサー食とは、食材をミキサーにかけ、ポタージュ状にした介護食です。ユニバーサルデザインフード区分の3~4に該当し、食事の硬さは舌でつぶせる程度~嚙まなくてもいい程度です。
噛む力がほとんどない方やお茶や水を飲みにくいと感じる方など、飲み込む力が弱くなった方を対象としています。具材はさらに小さくカットしており、口の中でまとまりやすいように粘りもつけています。胃腸にも負担がかかりにくいといえるでしょう。
ゼリー食:ゼリーのように柔らかくした食事
ゼリーとは、食材をミキサーにかけペースト状にし、ゼラチンや寒天を加えてゼリーのようにした介護食です。ユニバーサルデザインフードの区分4に該当し、食事の硬さは嚙まなくてもよい程度です。
噛む力と飲み込む力、両方が弱い方を対象としています。見た目は一般の食事とは異なりますが、口でつぶさなくてよく、のどの滑りも良いでしょう。
家族が介護食を作る際に気を付けたい5つのポイント
ここでは、家族が介護食を作る際に気を付けたいポイントを5つ紹介します。
l 噛みやすい・飲み込みやすいようにする
l 見た目にこだわる
l 栄養のバランスを考える
l 塩分を控えめにする
l 本人の嗜好を確認する
それぞれ5つのポイントをみていきましょう。
噛みやすい・飲み込みやすいようにする
介護食は、噛みやすい・飲みやすいようにしなければなりません。
介護食を必要とする方は高齢者が多く、注意すべきなのは誤嚥です。誤嚥性肺炎を起こし、状態が悪化する可能性があります。不適切な食事形態であれば窒息する可能性もあるでしょう。
食材を一口サイズに切ったり、細かく刻んだり、柔らかくしたりするなど調理方法を工夫しなければなりません。硬い食材には切れ目を入れることも必要です。お茶や水が飲みにくいのであれば、片栗粉や専用のとろみ材を使って対応しましょう。
見た目にこだわる
見た目にもこだわりましょう。
介護食では食べやすさ、飲み込みやすさを求め、もとの料理の原型をとどめない場合があります。見た目が悪ければ、食欲減退の原因となり、必要な量を確保できない可能性があります。
そのため、おいしそうな見た目になるように工夫して、食べたいと思える介護食を目指しましょう。食器などにこだわると食欲増進にもつながるかもしれません。
栄養のバランスを考える
栄養のバランスにも注意しなければなりません。
十分な栄養素を摂取できるようにバランスを考慮した介護食が必要です。身体機能を維持するためには、特にタンパク質が大切です。ほかにもカルシウムやビタミン、ミネラルなどを広く取れるようなバランスのよいメニューを考えましょう。
塩分を控えめにする
塩分を控えめにすることも注意したいポイントの一つです。
塩分の過剰摂取が高血圧の要因となります。高血圧の高齢者も多いため、素材の味を活かし、薄味で調理しましょう。
本人の嗜好を確認する
本人の趣向を確認することも気を付けたいポイントです。
栄養のバランスの整った、見た目が美しい介護食でも結局は食べなければ必要な食事量を確保できません。高齢者であれば独自の食習慣があるでしょう。そのため、医師の指導がない限り本人の嗜好をなるべく尊重することも必要です。
おすすめの介護食宅配サービス3選
最後に、おすすめの介護食宅配サービスを紹介します。
l ワタミの宅食ダイレクト
l やわらかダイニング
l コープ介護食
それぞれの介護食宅配サービスの価格や受取方法、対応している食事形態について確認しましょう。
ワタミの宅食ダイレクト
引用:ワタミの宅食
特徴 | ・13年連続売上シェアNo.1 ・管理栄養士+料理人が監修 |
---|---|
料金(税込) | ・まごころ手鞠(2,650円/1食あたり530円) ・いつでも三菜(3,900円/1食あたり390円+送料800円) ・まごころおかず(3,350円/1食あたり670円) ・まごころダブル(3,750円/1食あたり750円) ・まごころ御膳(3,150円/1食あたり630円) ・まごころ小箱(2,650円/1食あたり530円) ・まごころ小箱(小)(1,950円/1食あたり390円) |
受取方法 | ・冷蔵総菜は担当のスタッフがお届け ・冷凍総菜は宅配便でお届け |
対応する食事形態 | ・やわらかおかず ・ムース食 |
公式サイト |
ワタミの宅食ダイレクトは、13年連続売上シェアNo.1であり、手ごろな価格設定が特徴の宅食サービスです。
管理栄養士と料理人が両輪となり、塩分やカロリーに配慮したメニューです。
冷蔵のお惣菜を選ぶと、担当のスタッフがお届けしてくれるため、一人暮らしの高齢者にとって安心でしょう。
やわらかダイニング
引用:やわらかダイニング
特徴 | ・管理栄養士が常駐 ・総合出荷数220万食 |
料金(税込) | ・ちょっとやわらか 7食4,968円/14食9,828円/21食14,580円 +送料770円 ・かなりやわらか 7食5,616円/14食10,692円/21食15,984円 +送料770円 ・ムースやわらか 3食1,620円/7食5,616円/14食10,692円/21食15,984円 +送料770円 |
受取方法 | 冷凍で宅配 |
対応する食事形態 | ・ちょっとやわらかめ ・かなりやわらか(お箸ですっと切れる) ・ムースやわらか(スプーンでつぶせる) |
公式サイト |
やわらかダイニングは、おかずの硬さごとにわけたコースのみを扱っている宅配サービスです。
管理栄養士が常駐しているため、わからないことや気になることはすぐに電話で解決できます。すべて冷凍で宅配され、温め時間はコースごとに決められているため、わかりやすいです。
和食と中華が中心の献立であるため、高齢の方にとって食べる意欲が続くでしょう。
コープ介護食
引用:コープの介護食
特徴 | ・毎日食べても飽きない約2,000種類の豊富なメニュー ・管理栄養士監修 |
料金(税込) | ・普通食 朝昼10食分:おかずのみ5,749円/ごはん・汁物セット6,750円 朝夕10食分:おかずのみ5,749円/ごはん・汁物セット6,750円 昼夕10食分:おかずのみ6,177円/ごはん・汁物セット7,101円 毎食15食分:おかずのみ8,832円/ごはん・汁物セット10,260円 ・きざみ食・ムース食 朝昼10食分:おかずのみ6,960円/ごはん・汁物セット7,986円 朝夕10食分:おかずのみ6,960円/ごはん・汁物セット7,986円 昼夕10食分:おかずのみ7,360円/ごはん・汁物セット8,397円 毎食15食分:おかずのみ10,524円/ごはん・汁物セット12,052円 |
受取方法 | クロネコヤマトクール便で宅配 |
対応する食事形態 | ・普通食 ・介護食(きざみ食・ムース食) |
公式サイト |
コープの介護食は、約2,000種類の豊富なメニューが特徴の宅配サービスです。
食事形態は普通食、きざみ食・ムース食から選べ、タンパク質制限・カロリー制限などの健康管理食にも対応しています。
そのため、透析している方や糖尿病の方も安心してサービスを利用できるでしょう。
まとめ
介護食とは、高齢者や食べる機能が低下した方々に特別に提供される食事のことであり、食べやすいように調理方法などを工夫した食事のことです。
食事の硬さで4つに区分されています。それぞれ噛む力、飲み込む力により適切な食事形態を選ばなければ誤嚥につながります。また、食欲の低下により食事摂取量が少なくなり、身体機能の低下に影響する可能性もあるため、介護食を作る際には見た目にこだわったり、本人の嗜好を確認したりするなど注意しなければなりません。
本記事では、介護食を提供する宅配サービスを3つ紹介しているので、ぜひ参考にしたうえで検討しましょう。
参考
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