訪問介護と訪問看護の違いとは?それぞれのケア内容について解説

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「訪問介護と訪問看護はどう違うの?」「どちらを利用すべきか悩んでいる」このように思っている方は多いのではないでしょうか?

 実は、訪問介護と訪問看護は似ているようで、異なる特徴があります。

本記事では、訪問介護と訪問看護の違いとその内容について解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

訪問介護と訪問看護の違い

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早速、訪問介護と訪問看護の違いを概要から紹介します。 

訪問介護とは

訪問介護とは、介護福祉士やホームヘルパーなどが要介護や要支援の状態にある方々の自宅を訪問し、可能な限り住み慣れた自宅で自立した日常生活を送れるように提供する介護サービスです。


高齢者の自立支援や要介護度の進行を防ぐことが目的で、要支援1以上の認定を受けた方が主な対象者となり、食事の提供や入浴支援、排泄のサポートなどの身体ケアと、料理や洗濯、掃除などの日常生活支援やお世話をします。


ご本人が出来なくなったことを、家族だけでサポートするのは限界がありますが、訪問介護を利用することで家族の負担を軽減できるはずです。

そして、訪問介護で働くためには、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士といった資格を取得する必要があります。

以下は、訪問介護の1回当たりの自己負担額の目安となっています。

内容

所要時間

基本利用料

1割負担

2割負担

3割負担

身体介護

 

20分以上

30分未満

2,584 円

259円

517円 

776円

30分以上

1時間未満

4,105 円          

411円 

821円 

1,232円

 

 

1時間以上

1時間30分未満

5,991円          

599円

1,198円

1,798円

 

1時間30分以上(30分増えるごとに加算)          

864円

87円

173円 

260円

生活援助

20分以上

45分未満

1,886円          

189円 

378円

566円

 

45分以上

2,323円

233円

465円

697円

【身体介護と生活援助を行う場合の費用の目安】

所要時間

基本利用料

1割負担

2割負担

3割負担

生活援助

20分以上

687円

69円  

138円 

207円

 

生活援助

45分未満

1,375円          

138円 

275円

413円

 

生活援助

70分以上

2,063円          

207円

413円 

619円

 

※参考サイト:介護老人保健施設 あいの郷 訪問介護サービス(ヘルパーステーション)

利用者の自己負担割合は、市区町村から交付される負担割合証で確認しましょう。 

訪問看護とは

一方、訪問看護とは看護師や作業療法士などの専門スタッフが自宅を訪問し、患者さんの病気や障害に応じた看護をするサービスです。

健康の悪化を防ぎ回復を促すサポートをすることで、患者は病気や障害があっても住み慣れた地域で生活を続けられるでしょう。


訪問看護師は、病状や内服状況など医療機関やかかりつけの医師と連携しながら、医師の指示に基づいて、適切な医療処置を施します。

基本的に訪問看護を受ける場合は、医師や主治医からの指示書が必要になってきます。

こちらに関しても、同じく要支援1以上の方から利用できますが通院が難しい方などが医療的なケアを希望する場合に利用されます。(自費での利用に関しては、年齢・病気の種類に関わらず利用が可能です。)


また訪問介護と異なり、医療的な処置を求められるため看護師・准看護師の資格を持った職種となります。

訪問看護は、介護保険と医療保険で利用金額が異なるため、それぞれの料金の目安を以下にまとめました。

 

【介護保険の場合(要介護1~5)】

内容

所要時間

基本利用料

1割負担

2割負担

3割負担

看護師の訪問

 

20分未満

3,480円

348円

696円

1,044円

30分未満

5,226円

522円

1,044円

1,566円

30分以上

1時間未満

9,129円

912円

1,825円

2,736円

1時間以上

1時間30分未満       

1,2510円

1,251円

2,502円

3,753円

理学療法士・作業療法士・

言語聴覚士の訪問

 

20分

3,258円

325円

651円

975円

40分

6,516円

651円 

1,303円

1,953円

1時間

8,773円

877円

1,754円

 

2,631円

【介護保険の場合(要支援1~2)】

内容

所要時間

基本利用料

1割負担

2割負担

3割負担

看護師の訪問

 

20分未満

3,558円

335円

671円

1,005円

30分未満

5,004円

500円

1,000円

1,500円

30分以上

1時間未満

8,807円

880円

1,761円

2,640円

1時間以上

1時間30分未満       

12,087円

1,208円

2,417円

3,624円

理学療法士・作業療法士・

言語聴覚士の訪問

 

20分

3,146円

314円

 

 

629円

942円

40分

6,293円

629円

 

1,258円

1,887円

1時間

4,703円

470円

 

940円

1,410円

 ※参考サイト:なないろ訪問看護ステーション 料金について

【医療保険の場合】

内容

管理療養費※

基本利用料

1割負担

2割負担

3割負担

理学療法士・作業療法士・

言語聴覚士の訪問

 

 

月の初日

7,440円

744円

1,488円

2,232円

月の2日目以降1日当たり

3,000円

300円

600円

900円

 

週3日目まで

1日当たり

5,550円

555円

1,110円          

1,665円

週4日目以降

1日当たり

6,550円

655円

1,310円

1,965円

※参考サイト:なないろ訪問看護ステーション 料金について
※管理療養費とは、安全な訪問看護サービスを提供できる体制を整えている訪問看護ステーションが、算定できる療養費のこと。

 「40歳以上~65歳未満の第2号被保険者で16特定疾病の方」や「65歳以上の第1号被保険者で要支援・要介護認定を受けている方」は、介護保険の適用となります。
厚生労働省が指定している16の特定疾病は、以下の通りです。


【16の特定疾病】

がん

骨折を伴う骨粗鬆症

早老症

脊柱管狭窄症

関節リウマチ

初老期における認知症

多系統萎縮症

閉塞性動脈硬化症

筋萎縮性側索硬化症

パーキンソン病関連疾患

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

慢性閉塞性肺疾患

後縦靱帯骨化症

脊髄小脳変性症

脳血管疾患

両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

※参考サイト:訪問看護の対象者
原則として、医療保険と介護保険は併用できないことを把握しておきましょう。

訪問介護の内容

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ここからは、訪問介護の内容を一覧でお伝えします。

 
・日常生活の支援・介助

・家事労働の代行

・要介護1〜5の認定が必要


上から順番に1つずつ見ていきましょう。

日常生活の支援・介助

訪問介護では、身体的なサポートがメインとなります。

具体的な支援内容は、以下の通りです。

訪問介護の支援例

・利用者の安否確認

・顔色、発汗、体温等の健康状態の確認

・環境整備、換気、室温や日あたりの調整、ベッドまわりの簡単な整頓等

・排泄介助(トイレ利用・ポータブルトイレ利用・おむつ交換)

・食事介助

・全身清拭または部分浴(手浴および足浴、洗髪)

・更衣介助

・体位変換

・移動、移乗介助

・起床および就寝介助

・服薬介助、内服介助、服薬確認

・外出介助


このように、入浴介助や排泄介助、食事介助などの日常生活の支援を中心に行います。

家事労働の代行

訪問介護では、主に日常生活の支援を行いますが、他にも家事や清掃の代行もします。

支援内容は、以下の通りです。

支援内容

・居室内やトイレの掃除、卓上等の清掃

・食事の準備や調理から後片付け

・ゴミ出し、準備・後片づけ

・洗濯機または手洗いによる洗濯、洗濯物の乾燥(物干し)、洗濯物の取り入れと収納、アイロンがけ

・利用者不在のベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等

・衣類の整理(夏・冬物等の衣替え)、衣類の補修(ボタン付け、破れの補修等)

・病院や薬局で薬の受け取り

・日用品等の買い物


利用者のニーズや状態に合わせて、このような家事労働の代行もするのが特徴です 。

要介護1〜5の認定が必要

訪問介護の対象者は、要介護1〜5の認定を受けている人です。

要介護1〜5は、それぞれどのような状態なのかを見ていきましょう。 

要介護度

要介護状態

状態の具体的

要介護1

・歩行や立ち上がりが不安定で、部分的な介護が必要となる状態

入浴時や更衣時、排泄時のズボンの上げ下ろし等に介助が必要。

要介護2

・歩行や立ち上がりを自分でできないことが多く、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態

見守り下で着替えはできるが、入浴や排泄の一部動作または全てに介助が必要。

要介護3

・歩行や立ち上がりが困難で、日常生活動作にほぼ全面的な介護が必要となる状態

 

・認知力の低下があり、日常生活に師匠がある状態

入浴や排泄、着替えの全てに介助が必要。

 

認知症の症状に対応が必要。

要介護4

・歩行や立ち上がりを自力で行えず、介護なしでは日常生活を営むことが困難となる状態

・理解力の低下があり、意思疎通がやや困難

入浴や排泄、着替え全てに介助が必要な状態。

 

認知症による徘徊、暴言、暴力などの症状に対する対応が必要。

要介護5

・ほぼ寝たきりの状態で、日常生活動作すべてに介助が必要な状態

・理解力の低下が進み、意思疎通が困難

寝たきりで、介助なしでは食事やオムツ交換、寝返りなどができない。

 

声をかけても応答がなく、コミュニケーションを取りにくい。


介護サービスの必要度を判断する「要介護認定」は、コンピュータによる一次判定と、保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。

詳細は、「要介護認定はどのように行われるか(厚生労働省)」をご覧ください。

訪問看護の内容

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続いて、訪問看護の内容を解説いたします。


・医療処置

・服薬状況の管理

・血圧、体温などの確認

・日常生活の支援・介助


1つずつ紹介していきます。

医療処置

訪問看護では、看護職員が、医師の指示に基づき医療的な知識や技術が必要な医療処置を施します。

訪問看護でよく実施される医療処置は、以下の7つです。

医療処置

内容

① 浣腸・摘便

浣腸を自分で行うことが難しい場合や、より安全な排便を促す際に実施する。自力での排便が困難な場合は、浣腸と同時に摘便をすることもある。

② 創傷・床ずれの処置

治療の継続に向けて環境整備や除圧、ポジショニングなどで創傷・床ずれ(褥瘡)形成を防止する。傷や褥瘡がすでにある場合は、創傷処置をし、早期治癒を目指す。

③経管栄養・胃ろう管理

胃ろう挿入部位の皮膚状態の観察や処置をする。

④医療機器の管理

在宅酸素や人工呼吸器、膀胱留置カテーテルなどの医療機器が適切に作動しているか、また利用者が安全に使用できているかを確認する。

⑤吸引

人工呼吸器を使用している場合や呼吸器疾患などで自己排痰が困難な場合に吸引をする。

⑥点滴・注射

脱水による体調悪化や終末期などで補液が必要な場合に、点滴を実施する。

⑦ストマ(人工肛門)管理

パウチ交換や、排泄状況・パウチ貼付部位の皮膚トラブルの有無を確認する。


訪問看護と訪問介護の大きな違いは、医療処置の有無です。

訪問看護では、医師の指示に基づき、医療行為を実施します。そのため、医師の指示に無い看護やケアマネジャーの作成したケアプランに無い看護などその他の処置に関しては対応できません。

服薬状況の管理

処方されている薬を正しく内服できるよう、利用者さんの状態や生活状況を評価し、服薬状況を管理するのが看護職員の仕事です。

利用者さんやその家族と相談し、場合によっては服薬カレンダーや服薬記録表を作成することもあります。

血圧、体温などの確認

問診やバイタルチェックを行い、健康状態に変化がないか観察します。

万が一、健康状態に異常があれば、すぐに主治医へ報告し適切な処置を施すため、利用者やその家族は安心です。

また、利用者が終末期を迎えている場合は、痛みのコントロールや緩和などの処置もできます。

日常生活の支援・介助

訪問介護のみではなく、訪問看護でも日常生活の支援や介助をします。

具体的には、食事や栄養管理、排泄ケア、口腔ケア、体位交換などです。

必要であれば、利用者やその家族に適切なケア方法のアドバイスもします。

2時間ルール

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訪問介護、訪問看護のいずれも、1日の中で複数訪問する場合は間を2時間以上空けなければいけません。

2時間ルールが設けられている理由は、短時間の訪問を繰り返すことで料金を高く請求するのを防ぐためです。


訪問介護も訪問看護も、訪問時間が長くなると時間当たりの料金は低くなります。

つまり、訪問時間が短ければ短いほど、時間当たりの料金が高くなる仕組みです。

2時間ルールを設けていないと、短時間勤務を繰り返し高い料金を請求する事業所が増えるでしょう。

そのため、現在では2時間以内の訪問に関しては合算して請求をするようになっています。(20分の訪問の1時間後に40分の訪問をした際は合算した60分の請求になります。)

ただし、緊急性が高い訪問の場合は2時間ルールの例外となります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

本記事では、訪問介護と訪問看護の違いとその内容について解説しました。


訪問介護は、介護福祉士やホームヘルパーなどが要介護や要支援の状態にある方々の自宅を訪問し、可能な限り住み慣れた自宅で自立した日常生活を送れるように提供する介護サービスです。

一方、訪問看護とは看護師や作業療法士などの専門スタッフが自宅を訪問し、患者さんの病気や障害に応じた看護をするサービスで、医療処置を実施できるのが大きな特徴となります。


それぞれの特徴を理解することで、どちらのサービスが適しているのかが分かり、サービス利用の判断をしやすくなるでしょう。

もし在宅介護における不明点やお困りごとがございましたら、置き月にお問い合わせください。

この記事の著者

派遣のキャリアマルシェ_編集部

介護業界への転職・派遣に関する記事を制作・配信している編集部です。20年以上の介護施設運営歴のある弊社より、介護事業所で働く皆さんに役立つ情報を発信しています。

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