介護
投稿日:2023/07/12
更新日:2024/10/14
介護福祉士の受験資格を得るには?4つの方法と実務を紹介
目次
介護福祉士は介護資格の頂点とも言える国家資格です。本記事では介護福祉士になるための方法を紹介しています。受験を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士になるための方法は一つだけではありません。それぞれの立場や状況によって、4つのルートの中から選択できます。
本記事では、介護福祉士の主な仕事内容を紹介しつつ、資格取得の方法を説明しています。
介護業界や介護福祉士という資格に興味がある人は、ぜひ記事内容をご確認ください。
介護福祉士とは
介護福祉士は、いくつかある介護の資格の中でも唯一の国家資格です。介護福祉士国家試験に合格し、登録を行うことでようやく国認定の介護職員となれます。
資格取得者は、介護のプロとして現場で貴重な戦力として活躍できるでしょう。
介護福祉士は、専門知識と技術を存分に発揮して、施設利用者の身体・精神のケア、現場職員の指導や育成を主に担当します。
専門職であるため、就職・転職に有利です。一度資格を取得すれば、全国どこの施設でも通用しますし、更新もないため長きにわたって使える資格です。
介護福祉士の主な仕事内容
介護福祉士は、おもに利用者の自宅への訪問や、社会福祉施設の介護職員として、身体介護や生活支援を行います。
また、利用者の家族からの相談に対して、介護方法などのアドバイスを行うことも業務の一つです。
専門知識と技術を習得している人とみなされるため、現場リーダーとしての役割も期待されます。
では、それぞれの仕事内容の詳細を紹介します。
身体介護
食事・入浴・排泄など基本的な生活をサポートするために、利用者の身体に直接触れて介護を行います。介護専門資格がなければできない専門性の高い仕事です。
入浴介助や移動開所などは慣れるまで、相応の体力を必要とします。利用者のペースにあわせることが重要で、思いやりの心がなければ務まりません。
生活援助
利用者の代わりに炊事や洗濯、買い物などの家事代行を行います。
利用者ごとの生活背景に配慮してサポートすることと、リハビリ目的の為に利用者自身での行動も積極的にサポートする心構えが必要です。
家族へのアドバイスや指導
介護サービスに関するさまざまな相談や、保険や要介護認定などに関する相談にたいして、アドバイスを行います。
要介護者を抱える家族は、専門的な知識がないため介護の方法に不安を感じることがほとんどです。
介護福祉士は利用者のみならず、家族の心の支えとなることも大事な役割です。
マネジメントなど
ユニットリーダーや介護主任となって、チームをまとめて牽引する役割も引き受けます。
チームメンバーのきめ細かなフォロー、人員配置の手配と調整、管理職とのつなぎ、環境の整備など多くの業務を担うためとても多忙です。
介護の仕事はどんな現場でも、チームワークが不可欠ですので、それぞれ異なる経験や性格を持つ人たちに結束してもらうには、コミュニケーション能力が欠かせません。
介護福祉士になるための4つの方法
介護福祉士になるためには、基本的に4つのルートがあります。各ルートについて、その詳細を紹介します。
養成施設へ通う
介護業界の経験がない人や、高校卒業後に資格取得を目指す人におすすめのルートです。
2017年3月までの養成施設卒業生は、介護福祉士国家試験を受けなくとも、卒業するとそのまま介護福祉士の資格取得者となっていました。
それ以降の卒業生は、介護福祉士の受験資格のみ付与され、卒業後に試験に合格する必要があります。
現場で働きながら資格取得を目指す
介護の現場で働きながら資格取得を目指します。現場で実務経験をつむ場合、実技試験は免除されます。
そして、次の条件を満たせば、晴れて介護福祉士の受験資格が得られます。
・介護の現場で3年以上勤めて、その内540日以上主体的な介護業務に携わっている
・実務者研修の講座を修了していること
実務者研修は、全国のスクールや通信講座で行われています。
実務経験から介護福祉士を目指す場合、特に学費は必要なく、実務者研修の受講料のみ必要です。
福祉系の高校から
福祉科や介護福祉コースのある高校への入学を経て介護福祉士を目指します。
実技試験が免除されるため、筆記試験のみクリアできれば介護福祉士の資格を取得できます。
特例高等学校等では、卒業後に9カ月以上の実務経験を経て、筆記試験と実技試験をクリアしなければいけません。
経済連携協定のルート
経済連携協定(EPA)とは、締約している国の間の経済活動の連携強化を目的としています。
フィリピンやインドネシアなど、協定締結国としてEPA制度を利用し、介護福祉士になるルートです。働き手不足の日本にて注目されている制度です。
なお、日本人は対象外となっています。
実務経験ルートで資格取得する場合
ここでは、介護福祉士の実務経験ルートの条件となっている3年以上の実務経験と介護福祉士の実務者研修について、詳細を説明します。
3年以上の実務経験とは?
3年以上(1095日)介護関連施設などで働き、そのうち540日以上介護の仕事に携わった実績を3年以上の実務経験とします。
介護の仕事として認定されない職種は、生活相談員や支援相談員、理学療法士や作業療法士、医師、看護師、介護支援専門員などが挙げられます。
雇用形態の定めはありませんので、パートや派遣として介護業務を行っていた場合も従事期間としてカウント可能です。
介護福祉士実務者研修
実務者研修は、介護福祉士の資格を取得するために必要な研修です。
取得にかかる期間は無資格の場合、6ヶ月程度です。介護職員初任者研修などの介護資格を持っている場合、最短2ヶ月程度で取得できます。
介護福祉士の資格について
介護福祉士の資格取得について、難易度や勉強方法などを紹介します。
介護福祉国家試験の難易度
介護福祉士の筆記試験の合格基準は、正答率60%程度です。11項目に渡る出題分野の全てをふくめ、合計でおおよそ60点くらい取らなければ合格できません。
厚生労働省の発表によると、直近5年間の平均合格率は、おおよそ74%程度で推移しています。
毎日の実務に合わせて、最低限の筆記試験対策は必要でしょう。
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」
国家試験合格に向けた勉強
介護福祉士試験対策の勉強は、一つの参考書を丹念に読み込んで基本的な知識を身につける方法からスタートすると良いでしょう。
試験科目を一通り勉強した後は、徹底して過去問を解きます。オーソドックスな練習方法ですが、インプットよりもアウトプットに比重を置く方針が望ましいです。
過去問は、公益財団法人社会福祉進行・試験センター「過去の試験問題」から確認できます。
資格取得後の登録申請
介護福祉士の試験に合格した後は、介護福祉士登録申請が必要です。
介護福祉士の試験に合格しただけでは、介護福祉士を名乗ることはできません。
登録申請に必要なものは次のとおりです。
・登録申請書
・登録免許税9,000円(収入印紙の原本)
・登録手数料3,320円(振替払込受付証明書の原本)
・介護福祉士養成施設などの卒業証明書
・戸籍謄本の原本、戸籍の個人事項証明書の原本、本籍地を記載した住民票の原本のいずれが1通
収入印紙と振替払込受付証明書はいずれも郵便局で手続き、受付ができます。
実務者研修修了見込みとして試験を受けた場合、合格後に実務者研修修了証明書の提出が必要です。
提出しなければ、合格が取り消しになりますので注意しましょう。
まとめ
介護福祉士の資格を取得するためのルートは4つあり、働きながら資格を取得する場合、もっとも一般的なルートは実務経験ルートです。
今後、より本格的な高齢者社会を迎える日本において、介護福祉士はなくてはならない人材となるでしょう。
資格取得までの道のりは険しいですが、手に職をつけることができ、かつやりがいのある仕事です。
興味のある人は、資格取得へ挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の著者
おすすめ記事
関連記事
介護派遣のお仕事に関する
お問い合わせ・ご相談もお気軽に
静岡・関東を中心に介護派遣を専門に行うLASHIC-careerのコーディネーターが丁寧にご相談にのります。介護派遣に関すること、介護の転職に関することなどなんでもお問い合わせください!
お問い合わせフォーム