介護
投稿日:2023/12/26
更新日:2024/10/14
介護ボランティアとは?メリットや働く際の注意点も紹介
目次
高齢化社会において、「少しでも高齢者の役に立ちたい」と介護ボランティアに興味を持った人は思いの外多いのではないでしょうか。
しかし、介護ボランティアに参加しようとしても、「介護ボランティアに参加するにはどうしたらいいか」「介護ボランティアを行うには参加資格が必要なのか」など、具体的な行動の方法がわからないケースもあります。
そこで今回は介護ボランティアの活動内容やメリット、注意点などを紹介します。介護ボランティアの基礎から解説していきますので、介護ボランティアに興味がある方は参考にしてみてください。
介護ボランティアとは
介護ボランティアは介護活動のボランティアのことです。介護とは身体や心が健康ではない方の生活を助けることをいいます。その介護をボランティア(金銭的な報酬なしの活動)として行うことを介護ボランティアといいます。
介護ボランティアを行う目的には、地域貢献や介護職の体験、高齢者の健やか暮らしをサポートするためなどが挙げられます。介護ボランティアの活動は多岐にわたり、介護施設の掃除や食事を作ること、レクリエーションなどです。
介護ボランティアの活動内容
介護ボランティアの活動内容の具体的なイメージがわかず、難しいイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。あくまでも介護ボランティアですので、資格が必要だったり、難しい判断が必要だったりする場面はありません。
ここでは介護ボランティア活動を行う場所である「老人ホーム」と「介護施設」に着目してボランティア活動の内容を紹介します。
老人ホームの介護ボランティア活動
老人ホームとは高齢者が入所する施設のことをいいます。老人ホームには民間施設には「介護付き有料老人ホーム」、「住宅型有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「グループホーム」があります。一方で公的施設には「ケアハウス」や「特別養護老人ホーム」が挙げられます。
各施設において入居条件が設定されており、「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜2」「要介護3〜5」「認知症」となっています。そのため、介護ボランティアに入る老人ホームによっては掃除や料理といった簡単な作業だけではなく、介護士のお手伝いをするといったボランティア活動になる場合もあります。
他には老人ホームに入居している方の生活を向上させるために行うレクリエーションの手伝いといった介護ボランティアの活動もあります。
介護施設での介護ボランティア活動
介護施設とは高齢者や介護が必要な方が入所する施設のことをいいます。「介護老人保健施設」や「介護医療院(介護療養型医療施設)」などが介護施設にあたります。
介護施設での介護ボランティア活動も基本的には老人ホームの介護ボランティア活動と同じです。一方で「介護老人保健施設」や「介護医療院(介護療養型医療施設)」は入居条件が「要介護1〜2」「要介護3〜5」「認知症」となっているため、介護士のお手伝いが増える場合があります。
しかし、あくまでもお手伝いですので、難しい作業を任されることはありませんので、安心して介護ボランティアに参加してみましょう。
介護ボランティアに参加するには
介護ボランティアに参加するために、「参加資格が必要なのか」「どのように参加したらいいのか」といった様々な疑問を持つ人も多いでしょう。ここでは介護ボランティアにどのように参加するのかを紹介しますので、参考にしてみてください。
参加資格は?
介護ボランティアに参加するには特別な資格は必要ありません。18歳以上の方であれば未経験でも大丈夫です。
介護施設へ問い合わせる
介護ボランティアに参加する際のオーソドックスな方法は介護施設に問い合わせをしてみて、介護ボランティアを受け入れているかどうか確認することです。
まず自分が住んでいる地域にどのような介護施設もしくは老人ホームがあるのかを確認しましょう。介護施設や老人ホームのリストアップが終わったら、電話をかけるか、お問い合わせフォームから連絡し、介護施設に問い合わせをしてみましょう。
介護支援ボランティア制度を活用
介護支援ボランティアとは高齢者がボランティア活動を通して心身の健康増進を図る制度です。高齢者の方かつ介護ボランティアをしたいという方はこの介護支援ボランティアを活用してみましょう。介護支援ボランティア制度の利用は各市町村からできます。
社会福祉協議会へ問い合わせる
社会福祉協議会は福祉に関係する制度改善や人材研修など福祉関連の事業を行っている民間組織です。社会福祉協議会に介護ボランティアに参加したい旨を伝えると、近くの老人ホームまたは介護施設を紹介してくれます。
介護ボランティアで得られるメリット
介護ボランティアには「介護のボランティアの参加者」「介護ボランティアを受け入れる施設」「施設入居者」の3者それぞれにメリットがあります。ここでは、3者それぞれのメリットについて紹介します。
ボランティア参加者のメリット
ボランティアに参加することで、普段接する機会がない世代の方と交流を深められます。
利用者様はさまざまな経験や知識も持っているため、関わりを持つことで有益な情報を得られる機会にもなります。
また、趣味や特技がある場合はそれを活かせる機会でもあります。利用者様にも喜ばれるだけでなく、感謝の言葉をいただけることで、大きなやりがいを感じられることでしょう。
受け入れ側のメリット
介護施設や老人ホームにおいて事業を継続していくためには人手が必要です。しかし、資金には限りがありますので、アルバイトや正社員を増やすといっても限りがあります。
また、介護の仕事はきついイメージもあり、他の業種に比べ求職者が少ない傾向があります。
そのような状況下でお手伝いしてくれる介護ボランティアの方が来てくれるのは、受け入れ側にとって大きなメリットと言えるでしょう。
施設入居者のメリット
閉鎖的な空間であるため、人とのつながり・社会とのつながりに制限があります。そのため、より多くのコミュニケーションの機会を求める入居者様もいます。
ボランティアと接する機会があることで、コミュニケーション能力の維持だけでなく認知症の予防にも期待できます。
また、介護施設での暮らしはどうしても単調になりがちなため、普段と違う活動を行うことで気分転換にもなり、ストレス緩和にもなるでしょう。
介護ボランティアに参加するときの注意点
介護ボランティアの参加にはいくつかの注意点があります。事前に把握しておくことでトラブルを回避できるでしょう。
注意点について以下に解説します。
最低限の挨拶とマナーを心がける
最低限の挨拶とマナーは社会でも大切なことです。元気な挨拶や丁寧な言葉遣い、笑顔を絶やさないといったマナーは心掛けましょう。
利用者様だけでなく、職員に対しても敬意や思いやりの気持ちを持って接していけば自然と信頼関係も築いていけるでしょう。元気な挨拶や笑顔は、コミュニケーションを円滑にするためにも大切なマナーです。
最低限の挨拶やマナーが出来ていないと利用者様や職員も不安に感じる人もいるため、常に心掛けてボランティアに参加しましょう。
万全な体調で参加する
参加する際には、自身の体調管理を徹底しましょう。熱や鼻水がでる、風邪気味など、少しでも違和感があったら、必ず参加はやめて休むようにしてください。
介護施設では免疫力が低下しているご高齢の方が多いため、自身の熱や風邪などの症状を移してしまうと、重症化してしまう恐れがあります。
ボランティア当日であっても、いつもと違う状態を感じる場合、熱や風邪の症状が出てしまった場合は、参加することはやめて完全に体調が回復した状態になってからボランティアに参加しましょう。
利用者様への理解を深める
介護施設の中にはさまざまな人がいるため、利用者様への理解を深めることも大切です。
たとえば利用者様の中には認知症の方もいらっしゃいます。認知症についてどのような症状なのか、どんな病気なのかを事前に理解しておくのがいいでしょう。認知症の方に対して自尊心を傷つけない接し方を学ぶことが重要です。
また、認知症の症状は人によって症状の程度や対応も変わってきます。認知症を正しく理解するためにも「認知症サポーター養成講座」を受けてみるのも有効な手段といえるでしょう。
認知症に限らず、利用者様が抱える病気や症状について事前に理解を深めておくことで、適切な対応ができるようになります。
個人情報のリテラシーを持つ
施設ごとに個人情報の取り扱いについて規則を設けることもありますが、必ずその規定に従いましょう。
また、ボランティアをしていく中で、利用者様の名前や住所だけでなく、症状などさまざまな個人情報を得る可能性があります。この個人情報を外部へ絶対に漏らすのはやめてください。
利用者様の中には施設を利用していることを知られたくないと考える人もいます。特に近隣の施設でボランティアに参加する際には、知り合いが利用している場合もあります。うっかり世間話で知り合いがいたこと、症状について話してしまうこともあるかもしれません。
そのような形でも個人情報を漏らしてしまうと、信頼を著しく損ねたということで訴えられる場合もあるため、個人情報の取り扱いには注意してください。
まとめ
今回は介護ボランティアの活動内容やメリット、注意点などを紹介しました。介護ボランティアはボランティア参加者、受け入れ側、施設入居者にメリットがある活動です。また、介護ボランティアを行う際には最低限のマナーを守ったり、施設利用者への配慮をしたりするのが必要だと言えるでしょう。
介護ボランティアの活動は18歳以上であれば、性別や経験を問わず誰でも参加できますので、地域貢献をしたい方や高齢者の力になりたいと考えている方は介護ボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。
この記事の著者
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