介護
投稿日:2023/09/04
更新日:2024/10/14
介護ヘルパーとはどんな仕事?資格取得と介護業界の今を紹介
目次
介護ヘルパーとは、介護の仕事の総称です。介護の資格なくしては、本格的に活躍することはできません。本記事では、介護ヘルパーの資格について説明しています。
ヘルパーとして介護業界で活躍するためには、資格の取得が必要です。無資格でもできる仕事はありますが、本格的に活躍し年収を上げたい場合、資格を持っているほうが有利です。
ヘルパーの資格には、いくつかの種類があり、取得方法もそれぞれ異なるため、資格取得を検討するまえに、概要を押さえておいたほうが良いでしょう。
本記事では、ヘルパーの資格について、詳細を説明しています。介護資格取得を考えている人は、ぜひ記事内容を参考にしてみてください。
ヘルパーとは?主な資格は3つ
具体的にヘルパーとはどのような仕事内容を指すのでしょうか。
関連する資格とともに、その概要を詳しく説明します。
介護サービスを提供する専門職
ヘルパーの主な仕事は、食事や排泄、ベッドからの起き上がりや車椅子への乗り換えなど、
利用者の身体を支えながら行う身体介護と、食事の用意や部屋の掃除、衣類の洗濯など家事の手助けを行う生活援助の2つです。
病気の後遺症や手足が不自由な人を手助けするための仕事なので、医療や介護に関する幅広い知識と経験が必要とされます。
ヘルパーは介護サービスを提供する専門職として、今やなくてはならない職種と言っても良いでしょう。
ヘルパーの代表的な資格は介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士の3つです。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修では、未経験でもわかりやすい「講義」身体を動かして習得する「実技演習」によって介護業務の基礎知識や技術を覚えることができます。
介護職員初任者研修を取得すると、実際の介護の職場で必要とされる生活支援や身体介護にも対応できるようになり、最低限の戦力として現場で求められる人材となるでしょう。
介護の資格は、比較的短期間で取得できるものや、難易度の高い国家資格までさまざまです。介護職員初任者研修は3カ月程度で取得が可能な入門資格として位置づけられています。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格に位置づけされ、介護福祉士の受験の前提条件となっている資格です。
旧ヘルパー1級・介護職員基礎研修を一本化した資格で、修了するとサービス提供責任者に就くこともできます。
介護職員実務者研修を取得していると、介護職が医療的な支援を提供するために必要とされる喀痰吸引等研修のうち、基本研修が免除されます。
介護福祉士の受験資格として、以前は、実務経験3年と介護職員実務者研修もしくは、介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修の修了が必要条件とされていましたが、現在は、介護職員基礎研修が廃止されたため、介護職員実務者研修が必須条件となりました。
介護職員実務者研修を修了している人は、介護福祉士国家試験のうち、実技試験は免除されます。
介護福祉士
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法によって定められた介護資格の中で、唯一の国家資格であり、介護福祉士国家試験に合格した人だけが名乗れる「名称独占資格」です。
資格の取得をもって「専門的知識及び技術」を有する者の証明とされ、現場では職場のチームリーダー、介護のスペシャリストとして期待されるでしょう。
複雑だった介護資格が見直されたことによって、入門資格の「初任者研修」から応用資格の「実務者研修」を経て「介護福祉士」を目指すキャリアパスが確立されました。
現在、介護福祉士の資格は、介護職に就く人たちの到達点となっています。
ヘルパー資格の取得方法
具体的なヘルパー資格の取得方法について、詳細を紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の取得するためには、以下の研修の受講が必須条件とされています。
1 職務の理解 6時間
2 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
3 介護の基本 6時間
4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
5 介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6 老化の理解 6時間
7 認知症の理解 6時間
8 障害の理解 3時間
9 こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
10 振り返り 4時間
合計 130時間
内容は、厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」において詳しく記載されているものです。
カリキュラムは受講は全国各地の資格スクールで実施されており、通信講座と通学の併用や完全通学など、都合の良い方法で取得できます。ただし、独学での資格取得は認められていないため、スクールを利用してカリキュラムを受講しなければいけません。
ハローワークの訓練受講要件を満たしている場合、テキスト代以外に費用をかけず無料で資格取得も可能です。
実務者研修
実務者研修は、取得するための修了試験はありません。20科目450時間の研修受講を終えることが取得条件です。
前述の、介護職員初任者研修や旧ヘルパー3級~1級を取得している場合は、すでに受講済みの科目を受けずにすむため、研修時間のうち130時間を引いた320時間が受講時間です。
実務者研修とホームヘルパー1級で重複科目が多く、その科目は、社会福祉制度、認知症、介護技術、サービスの運営知識、心理学的援助技術です。
ホームヘルパー1級を持っている人が実務者研修を受講する場合、介護過程Ⅲと医療的ケアの2科目が受講科目です。
無資格の場合にかかる取得費用は10〜20万円程度、介護職員初任者研修を取得済みの場合は、 10~15万円程度がおおまかな相場です。
介護福祉士資格
介護福祉士は、介護資格の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士の取得ルートは「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」と4つの方法があります。
すでに介護ヘルパーとして働いている人は、実務経験ルートを取るケースが多く見られます。
介護ヘルパーとして働きながら資格取得を目指す場合、3年間の実務経験と実務者研修の資格保有が前提条件です。
令和4年の介護福祉士国家試験の合格率は72.3%となっており、比較的合格しやすい資格といっても良いでしょう。受験手数料は18,380円 です。
生活援助従事者研修
生活援助従事者研修は、掃除や洗濯など、利用者の生活をサポートするために必要な資格です。
研修の受講時間は59時間となっており、他の介護資格よりも短い時間に設定されています。
生活援助従事者研修の資格を取得していれば、介護職員初任者研修の一部の受講が免除されるため、取得を目指す場合は介護職員初任者研修の取得前が良いでしょう。
指定されたスクールで研修を受講し、修了試験に合格すると取得できます。費用はスクールや法人によって異なり、3,000円〜3万円程度です。
売り手市場の介護業界
介護業界は深刻な人手不足に悩まされており、基本的に売り手市場です。介護業界の、年収やその後のキャリアプランについて説明します。
年収アップが期待できる
「介護の仕事は大変な割に給与が安い」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
実際には、資格を取得するとそれなりの年収はもらえる仕事です。
厚生労働省がまとめた「令和4年 介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、資格がない介護従事者の平均月給は27万0,530円ですが、資格保有者の平均月給は32万1,120円となっています。
賞与があれば、年収400万円といったところでしょうか。資格をとればおおよそ5万円程度月給がアップします。
参考:厚生労働省「令和4年 介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04gaiyou.pdf
転職にも有利
介護職は慢性的な人手不足のため、もともと転職がしやすい業界とされていますが、介護資格を取得するとより転職に有利です。
資格を持っていると薄給とハードな仕事に苛まれる可能性も低くなるため、介護業界へ転職する際には、資格取得を視野に入れておきたいところです。
まとめ
主なヘルパーの資格は3つです。段階を追ってステップアップできるよう、資格の取得難易度が設定されています。
未経験から介護の仕事を始める人は、まず介護職員初任者研修の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
スキルアップを経て、介護福祉士まで取得できれば、現場においてなくてはならない存在として頼りにされるようになります。
介護の仕事は大変ですが、着実にステップアップを重ねていけば、やりがいのある仕事となるでしょう。
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