介護
投稿日:2023/08/23
更新日:2024/10/14
【原因解明】介護士の定着を支える業務効率化のアプローチ
目次
介護施設において、介護士が離職することなく働いてくれることが理想ですね。
しかし、離職率は他業種と比較しても平均的である一方で、業界経験者や資格を持つ人材は限られているので採用するコストは年々採用コストが増加しているといわれています。
そこで、今回は介護士や職員が離職する原因を分析することで、離職率を低下させる方法について解説していきます。
介護士の離職の根本原因を探る
給与や待遇が原因?
介護労働安定センターの調査によれば、離職の主な理由は以下の通りでした。
職場内の人間関係の問題(18.8%)
結婚・妊娠・出産・育児などのライフスタイル変化(16.9%)
自分の将来に対する見込みがたたない(15.4%)
収入が少なかった(14.9%)
他にいい仕事・職場があったため(13.9%)
これを見ると、待遇に関する不満や他の職場への切り替えとは異なり、主な離職原因はライフスタイルの変化(結婚や出産など)と職場の人間関係に起因することが分かりました。
しかし、このデータだけで判断するとライフスタイルの変化は避けられないものであり、職場の人間関係の改善のみで問題が解決するかどうかは疑問です。むしろ、これらの要因を踏まえて原因を追究してみましょう。
原因は業務負荷が高いせいだった!
離職の原因を解明するためにも、根本的な理由を深く掘り下げてみます。
たとえば、「ライフスタイルの変化」という理由を詳しく探ると、介護士の実際の声から次のような事実が浮かび上がりました。
・子育てと夜勤の両立が難しく、離職を余儀なくされた
・肉体的な疲労が蓄積し、家事とのバランスが取れなかった
・仕事の多忙さによって殺伐とした雰囲気で、人間関係も悪化していた
これらの要素を組み合わせて考えると、本当の離職の原因は「業務の過酷さ」である可能性があるのではないでしょうか。
業務のしんどさが離職の意思決定を促したり、人間関係の形成を妨げたりすることは大いに考えられます。
こういった結論をもとに、福祉施設や介護施設における離職率を抑制する最も効果的な方法は、業務の効率化を図ることであるといえるのではないでしょうか。
他にストレスを感じることはあるのか
また業務の効率化をさらに具体的に考えると、「夜間訪室業務」の改善が鍵となりそうです。
介護士たちの声には以下のようなものもありましたので紹介いたします。
夜間の業務が生活リズムを崩す原因になっている
夜間の訪室での見落としが重大な問題につながる可能性がある
子育てや結婚生活との両立が難しい
これらの声から、夜間訪室業務や夜勤が大きなストレス源であることが理解できます。
つまり、業務の中でも特に強いストレスとなっている夜間訪室業務の改善が、離職率を改善するために非常に効果的な方法とされます。
訪室の業務を効率化するためには?
業務自体を削減する方法
根本的な解決を追求するならば、夜間訪室業務自体を削減する手段が必要です。
その点でおすすめしたいのが、「見守りサービスの導入」です。
見守りサービスの採用により、遠隔で入所者の状況をモニタリングすることが可能となります。異常が発生すると警告が表示され、これによって定期的な巡回業務を行う必要が軽減されます。
室温や室内の動きも検知することができる見守りシステムも登場しており、ベッドにセンサーを設置して脈拍を確認することも可能です。これらを活用すると、目視での巡回よりも確実に部屋内の異常を捉えることができるでしょう。
担当者の割り当てを明確にする方法
業務自体の削減が難しい場合、施設全体の業務効率化を図る一つの手段として、各従業員の配置や業務調整が検討されます。
その際に効果的な方法が「人事制度の見直し」です。例えば、職員の報酬体系を「夜勤ありコース」と「夜勤なしコース」の2つに分けます。
夜勤なしコースでは、夜勤や残業が基本的にないことを前提に、育児や子育てとの両立が容易な勤務ができるようにします。
一方で夜勤ありコースでは、シフト制で夜勤や必要に応じた残業が発生します。
そして夜勤なしコースと対比して将来的な管理職層を育成することを目指し、報酬にも差を設ける方針です。
こういった人事制度の分割によって、ライフスタイルの変化による離職を抑制する取り組みはさまざまな業界で取り入れられており、介護業界でも今後広まる可能性が高いでしょう。
ストレスに対する負担軽減をする方法
上記二つの方法が難しい場合でも、少なくとも心理的ストレスを軽減する取り組みが考えられます。
ここで紹介するのは「業務監査システムの導入」です。
業務の見落としによる重大な問題を回避するために、具体的な基準やチェック項目を明確にすることが大切です。
さらに、チェックが実施されたことを証明できる仕組みを整えることで、見落としに対する不安を軽減できます。
具体的な方法としては、業務監査ツールを導入し、夜間訪室業務におけるチェック項目を明確にリスト化します。
夜間訪室業務時には、このチェックリストを持ち、項目を確認していきます。そして、チェックが完了した際には、システムにその記録を残すことで、万が一の際にも自身が業務を適正に実施したことを証明できる状況を整えるのです。
まとめ
介護士の離職の主な原因を踏まえて様々な業務効率化の方法を紹介いたしました。
今後の施設運営で、少しでも業務負担がへり人材が定着していけばうれしい限りです。
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