介護
投稿日:2023/11/10
更新日:2024/10/14
介護におけるアセスメントとは?アセスメントシートの書き方や記入例について解説

目次
介護現場で用いられているアセスメントシートとは、利用者様の心身状態や介護ニーズ、必要な支援内容を記載するものです。
介護サービスを利用されている方のみならず、介護サービスの利用を希望している方の情報を記載するケースもあります。本記事では、利用者様一人ひとりの事例に合わせたアセスメントシートの書き方や記入例について解説します。

介護サービスのアセスメントシートとは?

アセスメントシートとは、ケアマネジャーが介護サービスの利用を希望している方の心身状態や介護ニーズなどの情報を記載するシートです。
アセスメントシートに記載された内容を基に、対象者の心身状態や介護ニーズを分析し、必要な介護サービスを決定します。
アセスメントシートに記載する内容
アセスメントシートには、ケアマネジャーが介護を必要としている方やそのご家族の状態、希望などを聞き取り、その内容を記載します。その内容をもとにケアプランを検討し、よりよいケアの提供を大きな目的としています。
アセスメントシートに記載する内容の一例は、以下の通りです。
・介護サービスを必要としている理由
・ご本人とそのご家族の生活状況・関係性
・介護サービスに対する希望や、現在の介護に関する悩み事
アセスメントシートを記載する目的

介護を必要としている方に介護サービスを提供するには、なぜアセスメントシートの記載が必要なのでしょうか。
アセスメントシートを記載する目的は、以下の3つが挙げられます。
・介護サービスの利用を希望している方の心身状態・生活環境・介護ニーズを明確にし、適切な介護サービスを提供するため
・介護サービスの利用を希望している方の情報をケアマネジャーや介護職、看護師などの多職種間で確認・共有するため
・提供する介護サービスの内容や方針を明確にするため
ケアマネジャーがアセスメントシートを作成することで、介護サービスの利用を希望している方の心身状態や介護ニーズなどの情報が明確化します。ご本人の希望をくみ取り、適切な課題を設定できなければ誰にとっても望ましいケアにつながりません。
ケアマネジャーおよび介護職、看護師、主治医などの多職種間で、必要な情報を共有し何が本当に必要な支援であるか判断することがアセスメントシートの最大の目的です。
アセスメントの必要性
アセスメントとは、介護サービスの利用を希望している方が、どのような困り事があり、どのような介護サービスを希望しているのか聞き取るための初回面談のことです。
例えば、足を骨折し、車椅子での生活が必要になった方の場合、「リハビリを頑張って歩けるようになりたい」といった希望を聞きます。
・「リハビリを頑張って歩けるようになりたい」という目標を達成するには、どのような介護サービスが適しているか
・生活上の不便や悩みを解決するためには、どうすればいいのか
アセスメントがなければ、介護サービスの利用を希望している方の困り事や介護サービスに対するニーズをうまく聞き取ることができません。
事前にヒアリングを行いアセスメントシートに記載した内容を基に、課題に沿った長期・短期目標の設定と、その方にとって最適なケアプランの作成ができる点で非常に重要な役割を持ちます。
アセスメントとモニタリングの違い
アセスメントと混在しやすい言葉に、「モニタリング」というものがあります。
アセスメントとモニタリングは、行う時期と目的が異なります。
目的・実施する時期 | |
アセスメント | 介護サービスの利用を希望している方との初回面談 |
モニタリング | 介護サービスの利用開始後、利用者様の生活状況や介護サービスに対する意見などを確認し、必要に応じてケアプランの変更を検討する |

アセスメントシートの基本的な書き方

アセスメントシートには、いくつかの種類や様式があり、勤め先の介護施設・介護事業所によって使用しているシートが異なります。
どのような種類や様式のアセスメントシートでも、基本的に以下のルールを守って作成することが大切です。
・介護サービスの利用を希望する方の希望や意見を主に記載する
・アセスメント担当者の個人的な意見や感想など、主観的な内容は記載しない
・メモのような書き方をせず、誰が読んでも分かるような内容を心がける
アセスメントシートの7つの様式
アセスメントシートは、各介護施設・介護事業所が提供する介護サービスの内容に適した種類や様式のものを使用します。
ここからは、介護施設・介護事業所で使用されている7種類のアセスメントシートとその特徴についてご紹介します。
①包括的自立支援プログラム
包括的自立支援プログラムは、要介護認定を受ける際に記載される認定調査票に基づいた内容を記載することが特徴です。
介護サービスの利用を希望される方の要介護度に沿って作成するため、根拠に基づいたアセスメントが実施できます。
②居宅サービス計画ガイドライン
居宅サービス計画ガイドラインは、全国社会福祉協議会が作成した様式です。
介護を必要としている方のできること・できないことを客観的に判断するため、潜在的能力を引き出す介護サービスの提案に最適です
③MDS-HC方式
MDS-HC方式は、介護施設や居宅介護支援事業所など、多くの介護事業所で使用されている様式です。デイサービスやショートステイから介護施設への入居を検討している方に適しています。
④R4
R4は、公益社団法人全国老人保健施設協会が作成した様式です。
介護老人保健施設の利用を希望している方に適した項目が設けられています。
⑤ケアマネジメント実践記録方式
ケアマネジメント実践記録方式は、介護サービスの利用を希望しているご本人とそのご家族の意見や希望、ケアマネジャーの意見などが記入できる様式です。
幅広い視点から、細かい調査分析を行うことができます。
⑥日本介護福祉士会方式
日本介護福祉士会方式は、日本介護福祉士会が作成した様式です。
介護サービスの利用を希望する方の「衣」「食」「住」「身体の健康状態」「心の健康状態」「家族関係」「社会関係」の7領域について把握・分析します。
⑦日本訪問介護振興財団版方式
日本訪問介護振興財団版方式は、訪問介護事業所に適した様式です。
日本介護福祉士会方式と同様に、介護サービスの利用を希望する方の衣食住や心身の健康状態、家族関係、社会関係などから現在抱えている課題を分析します。多角的に情報を整理することができるので、過去の経歴を含めきめ細やかな状況把握ができるようになっています。
アセスメントシートを作成する時期
アセスメントシートは、介護サービスの利用を希望する方との初回の面談時に記載します。
さらに、介護サービスの利用開始後、利用者様の心身状態に変化が生じた場合や、要介護・要支援認定を更新するタイミングでもアセスメントシートの作成が必要です。
介護サービス利用開始後のアセスメントは、要介護者の場合月に1回、要支援者の場合は3ヶ月に1回以上の頻度を目安に実施します。
アセスメントシートの記入項目
アセスメントシートの記入項目は、アセスメントシートの様式や種類によって異なります。
どの様式にも共通する基本情報として、以下の内容を記載するのが一般的です。
・介護サービスの利用を希望している方の氏名、性別、住所、電話番号
・現在の生活状況や家族構成、及び介護サービスの利用状況
・要介護認定区分及び障害者手帳の等級
・心身の健康状態や寝たきり度、歩行状態
・介護サービスの利用に関するご本人の希望
【事例別】アセスメントシートの記入例

アセスメントシートには、介護サービスの利用を希望する方の状況や、利用を希望している介護サービスの提供形態に応じた内容を記入します。
ここからは、デイサービスを利用する方と介護施設に入居する方、2通りの事例に合わせたアセスメントシートの記入例をご紹介します。
デイサービスを利用する方のアセスメントシート
「認知症による物忘れが原因で強い不安感を抱え、家に引きこもりがちになっている。」
今は社会とのつながりが少なくなってしまっている状態だけど、デイサービスに通って他者との交流を図りたい。」
こういった課題を抱え、デイサービスの利用を希望する方の場合、以下の項目に沿ってアセスメントシートを作成します。
・ADLとIADLの状態
ADL(日常生活動作)は、食事や入浴、排泄などの動作を指し、IADL(手段的日常生活動作)は、調理や買い物、お金の管理などの動作を指します。
これらがどの程度自分自身で行えるか、「自立可」「一部介助有」と評価します。
・認知機能の状態
他者へ自分自身の意思を伝えることができるか、日常生活を送る上での意思決定がどの程度行えるかなど、現在の認知機能について具体的に記載します。
・社会とのつながり
現在の生活状況や家族、社会とのつながり、ご本人の孤立感の有無などを記載します。
また、ご本人が社会とのつながりを希望しているかどうかについても記載しましょう。
介護施設に入居する方のアセスメントシート
「寝たきりになってしまい、生活のすべてに介護を要する状態。
介護施設に入居し、痛みや苦痛を緩和するケアをしてもらいたい。」
こういった課題を抱え、介護施設への入居を希望する方の場合、以下の項目に沿ってアセスメントシートを作成します。
・健康状態
既往症や現在患っている病気、褥瘡(床ずれ)の有無、皮膚状態など、現在の健康状態について細かく記載します。
また、食事や入浴、排泄など、必要とする介護ケアについても記載しましょう。
・嚥下状態
普段摂取している食形態(キザミ食、ミキサー食など)や、水分の摂取量など、食事摂取状況や嚥下状態について具体的に記載します。
・現在の生活状況
現在住んでいる自宅の環境や、利用している介護サービスの内容について記載します。
自宅のバリアフリー設備や家族介護の状態についても詳しく記載しましょう。
まとめ

利用者様一人ひとりに合わせて適切に作成しよう
アセスメントシートは、利用者様お一人おひとりの健康状態や介護ニーズに沿った介護サービスを提供するために記載します。
そのため、利用者様の心身状態や住環境など、細部までしっかり確認する必要があります。
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